Archive for MakiokaFufudo

[Archive] 2019年1月の記事から

2019年も1ヶ月があっという間に過ぎて行きました。昨年から記事のほとんどをarchiveで書くようになりまして、ここで何かを書くことはほとんどなくなってしまいましたが、結構なPV数がいまだにありながら何も書かないのはちょっと申し訳ないので、archiveの記事をいくつか紹介したいと思います。

[化学系論文] JACSでの日本人シェアを調べました—平成編

化学系の主要な学術論文雑誌といえば、J. Am. Chem. Soc.ですが、この雑誌に掲載されている論文の日本人著者のシェアの経年変化を、平成時代について調べました。dこあたりにシェアのピークがあるのか、また、調査から見えてきた学術雑誌のおかれる状況を、簡潔に記述しました。

[化学系論文] 日本人著者の論文のシェア 2018年版

ブログ主が独断と偏見で選んだ学術雑誌について、掲載されている論文の日本人シェアを調べました。2018年版です。主要な雑誌については、2017年のデータと比較しています。あの雑誌の影響が…。

[今日描いた構造式] 3-(4-(trifluoromethyl)phenyl)pyridine(trifluoromethyl)phenyl)pyridine

Pd触媒下でのC−H結合活性化を経るアリール−アリールカップリングに関する論文であろうと、論文を読む前に色々想像しました。

[今日描いた構造式] tris(2,6-difluorophenyl)borane

[読みたい論文] リン−ホウ素系6員環frustrated Lewis pair

この2つは、frustrated Lewis pair関連の論文の紹介です。相変わらず論文を読まずに、です。

[読みたい論文] 有機セリウムで無触媒炭素−炭素結合形成

セリウムにこんな使い方があったのかと、この論文が目に留まりましたので、これも読まずにご紹介。

[読みたい論文] イソプロピルアルコールでハロゲン化アリールを還元

「こんな反応いけるの?」と不思議に思ったので、紹介しました。

興味を引くものがあればArchiveの記事を読んでみてください。

[今日描いた構造式] 多環式フェノール

お知らせ「読みたい論文シリーズ」はこちらに移転しました。

有機合成化学協会誌の9月号から。

[J. Synth. Org. Chem Jpn. 2018, 76 (9), 874–884]
Chiral Vanadium Complex-catalyzed Enantioselective Oxidative Coupling Reactions (Sako, Makoto; Takizawa, Shinobu; Sasai, Hiroaki)
Web: http://dx.doi.org/10.5059/yukigoseikyokaishi.76.874

笹井先生@大阪大学。

光学活性バナジウム触媒下での多環式フェノール類のエナンチオ選択的酸化カップリングが紹介されています。

 

キーワード: ee (鏡像体過剰率); BINOL; QUINAP; TMEDAPivOH; TMSCl; THF; p-TsOH

 

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[GAMESS] トリチウム水分子の構造最適化をしました。

特定の原子を同位体に置き換える方法を試しました。

ここ最近トリチウム水が話題になっているので、軽水(H2O)分子の水素原子を三重水素に置き換えたT2O、HOT分子の構造最適化をGAMESSで行いました。

まずはH2Oの構造最適化。入力ファイルの中身はこんな感じです。

$STATPT HSSEND=.TRUE. $ENDを入れて、構造最適化の後に振動解析を行います。分子構造がシンプルなので、振動数にマイナスの数値が出なければ、構造最適化は成功です。

次にT2Oの構造最適化用の入力ファイル。

$MASS AMASS(2)=3.0160492 $ENDを入れて、配置する2番目と3番目の原子(16行目と17行目)の質量を三重水素のものに指定します。

HOTの入力ファイルは省略します。

んで、結果。

 

まずは結合距離。

2つの原子間の結合距離は、H2OもHOTもT2Oも同じで、0.969 Å。GAMESSの計算は、原子の質量を考慮しないそうです。

ちなみに、3つの原子の結合角も同じで、103.6°。双極子モーメントの計算結果も、2.28 Dと、「計算上は」3分子とも同じ。

次に振動解析の結果から得られた、分子の運動の周波数(波数)。

上から、T2O、HOT、H2Oのものです。赤外吸収スペクトルの吸収波数と同じです。ただし、一般的に行った計算の条件下では実測値よりも高めの数値が出るようです。

(下のグラフ、横軸を揃えていないことにご注意ください。)

振動解析の結果から、まずは2つの原子の伸縮運動由来の波数。

振動モードはいろいろありますが数値だけ挙げると、

H2O: 3845, 3724
HOT: 3786, 2305
T2O: 2377, 2237
*単位はcm1。

「軽い」水素原子を持つH2Oの数値が、「重い」水素原子を持つT2Oのよりも高くなっています。HOTのは、H2OとT2Oの合の子のような値です。

次に、変角運動の振動数。

H2O: 1713
HOT: 1424
T2O: 1055
*単位はcm1。

H2O、HOT、T2Oの順に高くなっています。「重さ」が綺麗に反映されています。

 

キーワード: トリチウム水; HOT; OBT; 放射能

 

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[読みたい論文] イミン還元: LAHの触媒化をやりおった

 

いつかはこの組み合わせが、と思っていました。

Angew. Chem. Int. Ed. 2018, 57 (24), 7156–7160]
LiAlH4: From Stoichiometric Reduction to Imine Hydrogenation Catalysis (Elsen, Holger; Färber, Christian; Ballmann, Gerd; Harder, Sjoerd)
Web: https://doi.org/10.1002/anie.201803804

Wileyのサイトが更新されてからしばらくの間Angew. Chem. Int. Ed.のデータを収集していなかったのですが、先月から収集を再開しています。

なので最新の論文というわけではないのですが、こんなのを見つけました。

ついに、という感じです、LAHの触媒化。

GAに描かれたアルジミン、α-水素はないし窒素上にはtert-ブチル基ということで、基質限定的なのかなあと思い、Suppoting Informationを眺めましたが、収率云々は書かれてはいませんでした。

触媒サイクルにはリチウムもアルミニウムも関与しているようですが、そのあたりは論文本体に書かれているようなので、読みたい論文に追加です。DFT計算による考察もなされている模様。

 

キーワード: LAH

 

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ダイゼイン – 昨日描いた構造式たちから

久しぶりにChemDrawを使って構造式を描きました。

いくつかの種類のものを描いたのですが、その中から、ダイゼイン

東北大学のプレスリリースを読んで描きました。

ダイズの健康機能成分ダイゼインの生成の謎を解く

大豆イソフラボンの一つですね。