Archive for むりくり計算シリーズ

[水素水] H6O分子の構造を最適化したらこうなった

うん、やっぱりこうなるよね。

 

これがH6Oの軌道図だ。想像図ではない。

 

【おことわり】本記事の内容(画像を含む)、リンク先の動画、また私の名前及び私に関連する商標などの商用利用はおやめください。また、私にはH6Oを含む物質の商用利用に一切の関わりはありません。

 

ちょっと前にGAMESSでH6O分子の構造最適化を試みたのですが、GAMESSにconvergeせんぞと怒られてしまいました

ログファルを見て、パラメータをいじればなんとかなるかもと思ったので、リトライ。

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入力ファイルに、MAXIT=100 を追加し、NSTEPを200から2000に変更。

DFT, B3LYP/6-31G(d)。

初期構造がこれ。変更なしです。三角柱。

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【悲報】みなさまご想像通りの結果に

 

構造最適化開始後、早速水素原子4個が酸素原子から離れ、

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最終的にこんなふうになりました。

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はい。

水分子ひとつと水素分子ふたつ。やっぱりこうなりますよね。

 

ちなみに、水素分子の単結合は、私が追加しました。原子間距離は0.745Å。実測値とほぼ同じです。

構造最適化がなされていく動画、あります。

 

念のため言いますが、「水素分子を放出する」図や動画として商いに使っちゃダメですからね。

使っている企業を見かけた方、私のtwitterアカウント宛にご連絡いただければ幸いです。

 

あわせてどうぞ

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[水素水] HnOがどのくらい不安定かたくさん計算しました

H4Oの構造が見つかった(ただしですね

 

カルボニル化合物がルイス酸に配位するとLUMOが低くなる話

学生の時にそう習ったんだけど、ほんまかいなと思い、GAMESSでDFT計算をして確かめることにしました。

 

なるべくシンプルにということで、カルボニル化合物としてアセトン、ルイス酸として3フッ化ホウ素をピックアップ。

まずは初期構造のモデリング。座標データを吐き出して、パラメータを追加。

アセトン分子のGAMESS入力ファイル。構造の最適化のみで、振動解析はまだしません。

アセトン分子が3フッ化ホウ素分子に配位したやつの入力ファイル。

構造最適化して得られた、アセトン分子構造。振動解析(入力ファイルはこの記事の最後に)で、虚の振動数がないことは確認しています。

同じく、アセトン分子が3フッ化ホウ素分子に配位したやつの構造。カルボニル基の右隣の炭素に結合している酔語原子の位置が、アセトン分子そのもののと違うのは、3フッ化ホウ素の立体的は影響のせいでしょうか。

ここで、2つモデルのカルボニル基の違いを見ておきましょう。

項目: アセトン分子のもの; アセトン分子&3フッ化ホウ素分子のもの
C=O原子間距離 (Å): 1.216; 1.240
C=O振動数 (cm–1): 1822; 1735
Bond order: 1.953; 1.687
Mülliken charge (C=O, C): 0.452; 0.479

つまり、DFT計算上では、アセトン分子が3フッ化ホウ素分子に配位すると、C=O原子間距離が長くなる、結果としてC=O振動数 (赤外吸収の波数, 実測値よりも大きく算出されるのはおやくそく)も結合次数も低くなるということです。

そして、カルボニル基の電荷が小さく(電気的により陽性に)なるのですね。

次に、アセトン分子のπ軌道とπ*軌道。

同じく、アセトン分子が3フッ化ホウ素分子に配位したやつの軌道。

それぞれのエネルギー準位周りのデータは以下の通り。

項目: アセトン分子のもの; アセトン分子&3フッ化ホウ素分子のもの
π (eV): –9.347; -10.860
π* (eV): –0.211; -2.032
π–π* gap: 9.136; 8.828

確かに、配位することにより、πもπ*も、エネルギー準位が低くなっています。そして、π–π*の準位さも小さくなります。

 

というわけで、25年来の自分の中の疑問が自分なりに少しスッキリしました。

 

[おまけ] 振動解析のGAMESS入力ファイル

アセトン分子

アセトン分子が3フッ化ホウ素分子に配位したやつ

 

キーワード: カルボニル化合物・ルイス酸・配位・LUMO・低くなる

 

[あわせてどうぞ]

Avogadroで分子モデリング

[水素水] HnOがどのくらい不安定かたくさん計算しました

 

古舘カップリングを思い出したので計算した

 

この記事まだ作成中。

↓この記事書いたの私です。

第59回 余韻は続くノーベル化学賞

古館カップリング。

furutachi_coupling_0

GAMESSで分子軌道計算をしました。DFT, B3LYP/6-31G(d)。
HOMO準位は-2.34 eV、LUMO準位は-1.22 eV。
↓氏の主張(?)する結合を支持する軌道は、一応、あるようです。

furutachi_coupling

 

某テレビで見かけたのでこの記事を思い出したんですが、シクロヘキサン環、舟型でしたね。

というわけで、椅子型でも計算してみようかと思い、ビフェニレン分子をベースにモデリング。

「例の結合」の長さは1.68Å。炭素-炭素単結合よりも少し長め。

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結果は予想できますが、構造最適化を。

初期構造のHOMO(-4.067 eV)とLUMO (-1.387 eV)。

160825_homo160805_lumo

構造最適化の結果…

160805_optimized

…うん、やはりシクロヘキサン環ふたつ、離れました。例の結合の長さは4.27Åくらい。もはや結合とは言えない。

ちなみに、両者のΔG差は1,043 kJ/molくらい。

というわけで、モヤモヤ解消できました。

 

キーワード: 古舘カップリング・鈴木-宮浦カップリング・ノーベル化学賞

[水素水] HnOがどのくらい不安定かたくさん計算しました


 



あくまでもネタとしてお読みください。

【おことわり】この記事や私に関連する商標や肩書き・経歴などを商いに利用することはおやめください。

 

160529_3

n=16のまで計算しました。

DFT計算の初期構造(分子力場計算で最適化した、グラフの中の青い背景の図)とDFT最適化構造(n=2以外、どのケースも構造が壊れて水分子と水素分子になりました)について、GAMESSでギブス自由エネルギーをそれぞれ算出し、その差を出しました(ΔG。ΔΔGとしたほうがいいのなぁ)。

 

簡単に言えば、ΔGが大きいほどHnOはより不安定。

 

n=2の水分子以外は全て、初期構造の方がエネルギー的に不利。安定に存在し得ないというのはこれまでの幾つかの計算で明らかになっていますが、nの増大とともにΔGも大きくなる傾向にあります。

n=14のとn=12の差が小さいのは、水素原子同士で結合ができるくらいに、水素原子がぎゅうぎゅうに詰まってるからなんじゃないかなぁと勝手に思ってます。

 

[水素水] H14O分子の構造最適化をトライした

まぁ、結果は予想できるわけですが…

 

【おことわり】この記事や私に関連する商標や肩書き・経歴などを商いに利用することはおやめください。

 

 

あくまでもネタとしてお読みください。

 

どこぞでH14Oなるものがあると知ってしまったので、仕方なく構造最適化を試みました。

まずはH14O分子のモデリング。むりくりにやりました。反省はしてません。

160525_H14O

 

GAMESSで構造最適化します。入力ファイルの中身はこんな感じ。
いつものDFT, B3LYP/6-31G(d)です。

 

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早速計算開始です。初期構造はこれ。上のと同じです。
構造最適化されていく動画

 

160527_2

開始後すぐに構造が怪しくなり…

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どんどん壊れていきます。

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そして最適化された構造がこれ。

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水分子と水素原子のペアが6組。結合を示す線は描いてありませんが、原子間距離から判断すると、水素原子のペアは水素分子そのもの。

つまり、水分子ひとつと水素分子6つになってしまった、ということです。

ちなみに、計算されたGibbs自由エネルギーは

初期構造: –212,189.06 kJ/mol
最適化構造: -218,818.16 kJ/mol

で、最適化構造の方が6,629.10 kJ/molエネルギー的に有利と出ました。
いつものことながら、ありえないくらいにでかすぎ
(= H14Oが不安定過ぎ)
です。

H14O、存在し得ないと言っていいと思います。

 

ちなみに、初期構造のHOMOはこれ。

160525_H14O_homo

んで、初期構造のLUMO。

160525_H14O_lumo

ところで、H14Oて何色?

何色なのか想像したくて、初期構造でTDDFT計算。

160527_6

う〜ん、何かしらの色はあるようです。複雑。考えるのめんどくさい。