Archive for むりくり計算シリーズ

H4O分子の構造を最適化したらこうなった

H4O分子を無理くり構造最適化しました。

今ではクラシックなB3LYP/6-31G(d)で。

初期構造。

(構造最適化の途中は省略)

最終的にはこうなりました。

 

 

画像の右にある2つの水素原子の距離は0.745 Åで、これはH2分子の2水素原子間の距離とほぼ同じ値です。

つまり、1つのH2O分子と1つのH2分子が最適化構造、と。

まあ、こうなりますよね。

 

あわせてどうぞ

H6O4+イオンの構造を最適化したらこうなった

H4O2+イオンの構造を最適化した

H2O分子の構造を最適化した

H3O+イオンの構造を最適化した

H3O+イオンの構造を最適化した

何の変哲も無いH3O+イオンの構造最適化です。

現在ではクラシックなB3LYP/6-31G(d)で。

 

よくあるH3O+です。

 

 

あわせてどうぞ

H4O分子の構造を最適化したらこうなった

H2O分子の構造を最適化した

H4O2+イオンの構造を最適化した

H2O分子の構造を最適化した

何の変哲も無いH2O分子の構造最適化です。

現在ではクラシックなB3LYP/6-31G(d)で。

 

 

はい、水分子です。

酸素原子-水素原子の距離は0.969 Å (実測値は0.958 Å)。

水素原子-酸素原子-水素原子の結合角は103.64º (実測値は104.45º)。

単分子での計算ですので、数値のズレがあっても仕方ありません。

あわせてどうぞ

H4O分子の構造を最適化したらこうなった

H3O+イオンの構造を最適化した

H4O2+イオンの構造を最適化した

 

[水素水] H6O分子の構造を最適化したらこうなった

うん、やっぱりこうなるよね。

 

これがH6Oの軌道図だ。想像図ではない。

 

【おことわり】本記事の内容(画像を含む)、リンク先の動画、また私の名前及び私に関連する商標などの商用利用はおやめください。また、私にはH6Oを含む物質の商用利用に一切の関わりはありません。

 

ちょっと前にGAMESSでH6O分子の構造最適化を試みたのですが、GAMESSにconvergeせんぞと怒られてしまいました

ログファルを見て、パラメータをいじればなんとかなるかもと思ったので、リトライ。

160310_7

入力ファイルに、MAXIT=100 を追加し、NSTEPを200から2000に変更。

DFT, B3LYP/6-31G(d)。

初期構造がこれ。変更なしです。三角柱。

160310_4

【悲報】みなさまご想像通りの結果に

 

構造最適化開始後、早速水素原子4個が酸素原子から離れ、

160310_5

最終的にこんなふうになりました。

160310_6

はい。

水分子ひとつと水素分子ふたつ。やっぱりこうなりますよね。

 

ちなみに、水素分子の単結合は、私が追加しました。原子間距離は0.745Å。実測値とほぼ同じです。

構造最適化がなされていく動画、あります。

 

念のため言いますが、「水素分子を放出する」図や動画として商いに使っちゃダメですからね。

使っている企業を見かけた方、私のtwitterアカウント宛にご連絡いただければ幸いです。

 

あわせてどうぞ

[水素水] H6Oが何色なのか計算してみた

[水素水] H6Oのエネルギー計算をやってみた

[水素水] これがH6Oの軌道図だ。想像図ではない。

[水素水] HnOがどのくらい不安定かたくさん計算しました

H4Oの構造が見つかった(ただしですね

 

カルボニル化合物がルイス酸に配位するとLUMOが低くなる話

学生の時にそう習ったんだけど、ほんまかいなと思い、GAMESSでDFT計算をして確かめることにしました。

 

なるべくシンプルにということで、カルボニル化合物としてアセトン、ルイス酸として3フッ化ホウ素をピックアップ。

まずは初期構造のモデリング。座標データを吐き出して、パラメータを追加。

アセトン分子のGAMESS入力ファイル。構造の最適化のみで、振動解析はまだしません。

アセトン分子が3フッ化ホウ素分子に配位したやつの入力ファイル。

構造最適化して得られた、アセトン分子構造。振動解析(入力ファイルはこの記事の最後に)で、虚の振動数がないことは確認しています。

同じく、アセトン分子が3フッ化ホウ素分子に配位したやつの構造。カルボニル基の右隣の炭素に結合している酔語原子の位置が、アセトン分子そのもののと違うのは、3フッ化ホウ素の立体的は影響のせいでしょうか。

ここで、2つモデルのカルボニル基の違いを見ておきましょう。

項目: アセトン分子のもの; アセトン分子&3フッ化ホウ素分子のもの
C=O原子間距離 (Å): 1.216; 1.240
C=O振動数 (cm–1): 1822; 1735
Bond order: 1.953; 1.687
Mülliken charge (C=O, C): 0.452; 0.479

つまり、DFT計算上では、アセトン分子が3フッ化ホウ素分子に配位すると、C=O原子間距離が長くなる、結果としてC=O振動数 (赤外吸収の波数, 実測値よりも大きく算出されるのはおやくそく)も結合次数も低くなるということです。

そして、カルボニル基の電荷が小さく(電気的により陽性に)なるのですね。

次に、アセトン分子のπ軌道とπ*軌道。

同じく、アセトン分子が3フッ化ホウ素分子に配位したやつの軌道。

それぞれのエネルギー準位周りのデータは以下の通り。

項目: アセトン分子のもの; アセトン分子&3フッ化ホウ素分子のもの
π (eV): –9.347; -10.860
π* (eV): –0.211; -2.032
π–π* gap: 9.136; 8.828

確かに、配位することにより、πもπ*も、エネルギー準位が低くなっています。そして、π–π*の準位さも小さくなります。

 

というわけで、25年来の自分の中の疑問が自分なりに少しスッキリしました。

 

[おまけ] 振動解析のGAMESS入力ファイル

アセトン分子

アセトン分子が3フッ化ホウ素分子に配位したやつ

 

キーワード: カルボニル化合物・ルイス酸・配位・LUMO・低くなる

 

[あわせてどうぞ]

Avogadroで分子モデリング

[水素水] HnOがどのくらい不安定かたくさん計算しました