[読みたい論文] 空気中でも安定な金属アセチリド

有機亜鉛といえば、Prof. Knochel。

あくまでも個人的な印象です。

[Angew. Chem. Int. Ed. 2017, 56 (31), 9236–9239]
Preparation of Solid Polyfunctional Alkynylzinc Pivalates with Enhanced Air and Moisture Stability for Organic Synthesis (Chen, Yi-Hung; Tüllmann, Carl Phillip; Ellwart, Mario; Knochel, Paul)
Web: http://dx.doi.org/10.1002/anie.201704400

Graphical Abstractお借りしますね。

有機亜鉛化合物は、有機リチウム化合物や有機マグネシウム化合物よりも反応性に乏しいので、官能基のある有機亜鉛化合物を比較的簡便に取り扱うことができるメリットがあるわけです。

んで、Prof. Knochel、私が大学の学部生の頃(1991年くらい?)には既に有機亜鉛化合物を使う反応を(たくさん?)報告していまして、2017年の時点でも、化学系のトップジャーナルにも論文が出るくらい、コツコツと知見を積み上げているのです。

今回の論文、末端アルキンとTMPZnOPivから亜鉛アセチリド(GAの真ん中の)を作り、これを有機合成に利用したというもの。ちなみにこのアセチリド、空気中でも数時間安定に存在しうるのだとか。

GAの末端アルキンにはエトキシカルボニル基がありますね。こいつがないと亜鉛アセチリドが生成しないのかですが、Supporting Informationを見る限り、単純な脂肪族アセチリド(1-ヘキシン等)でもOKなようです。

GAの右の化合物の合成もそうですが、亜鉛アセチリドがどんな反応に使えるのか、気になります。

そんなわけで、読みたい論文に追加です。

Angew. Chem. Int. Ed.には、他にも魅力的な論文が掲載されています。

野崎先生@東京大。 パラジウム触媒
[Angew. Chem. Int. Ed. 2017, 56, 9211–9216.]
Palladium-Catalyzed Asymmetric Synthesis of Silicon-Stereogenic 5,10-Dihydrophenazasilines via Enantioselective 1,5-Palladium Migration
Sato, Yosuke; Takagi, Chihiro; Shintani, Ryo; Nozaki, Kyoko
Tag: Pd, Cat, Si, as
http://dx.doi.org/10.1002/anie.201705500

侯さん@理研。
[Angew. Chem. Int. Ed. 2017, 56, 9207–9210.]
Asymmetric Yttrium-Catalyzed C(sp3)-H Addition of 2-Methyl Azaarenes to Cyclopropenes
Luo, Yong; Teng, Huai-Long; Nishiura, Masayoshi; Hou, Zhaomin
Tag: Y, as, Nb, NBE, nbn, pyr, C3H6, C3H4, Me, Py
http://dx.doi.org/10.1002/anie.201705431

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