[GAMESS] トリチウム水分子の構造最適化をしました。

特定の原子を同位体に置き換える方法を試しました。

ここ最近トリチウム水が話題になっているので、軽水(H2O)分子の水素原子を三重水素に置き換えたT2O、HOT分子の構造最適化をGAMESSで行いました。

まずはH2Oの構造最適化。入力ファイルの中身はこんな感じです。

$STATPT HSSEND=.TRUE. $ENDを入れて、構造最適化の後に振動解析を行います。分子構造がシンプルなので、振動数にマイナスの数値が出なければ、構造最適化は成功です。

次にT2Oの構造最適化用の入力ファイル。

$MASS AMASS(2)=3.0160492 $ENDを入れて、配置する2番目と3番目の原子(16行目と17行目)の質量を三重水素のものに指定します。

HOTの入力ファイルは省略します。

んで、結果。

 

まずは結合距離。

2つの原子間の結合距離は、H2OもHOTもT2Oも同じで、0.969 Å。GAMESSの計算は、原子の質量を考慮しないそうです。

ちなみに、3つの原子の結合角も同じで、103.6°。双極子モーメントの計算結果も、2.28 Dと、「計算上は」3分子とも同じ。

次に振動解析の結果から得られた、分子の運動の周波数(波数)。

上から、T2O、HOT、H2Oのものです。赤外吸収スペクトルの吸収波数と同じです。ただし、一般的に行った計算の条件下では実測値よりも高めの数値が出るようです。

(下のグラフ、横軸を揃えていないことにご注意ください。)

振動解析の結果から、まずは2つの原子の伸縮運動由来の波数。

振動モードはいろいろありますが数値だけ挙げると、

H2O: 3845, 3724
HOT: 3786, 2305
T2O: 2377, 2237
*単位はcm1。

「軽い」水素原子を持つH2Oの数値が、「重い」水素原子を持つT2Oのよりも高くなっています。HOTのは、H2OとT2Oの合の子のような値です。

次に、変角運動の振動数。

H2O: 1713
HOT: 1424
T2O: 1055
*単位はcm1。

H2O、HOT、T2Oの順に高くなっています。「重さ」が綺麗に反映されています。

 

キーワード: トリチウム水; HOT; OBT; 放射能

 

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