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Keywords: asymmetric synthesis; I; er; Selectfluor; Gilmour, Ryan; 有機化学; ブログ
A Chiral Pentafluorinated Isopropyl Group via Iodine(I)/(III) Catalysis (Meyer, Stephanie; Häfliger, Joel; Schäfer, Michael; Molloy, John J.; Daniliuc, Constantin G.; Gilmour, Ryan)
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論文のタイトルのアタマがキラルなペンタフルオロイソプロピル基とあるのは一体と思い、読みたい論文に追加しました。Angew. Chem. Int. Ed.に掲載されるほどインパクトがあるのか、これがこの論文のセールスポイントなのか。お薬を作る上で重要な官能基であるのはわかりますが。
それはさておき「ペンタフルオロイソプロピル基」を作るこの論文の反応、トリメチル基を含むアルケンとSelectfluorとフッ化水素・アミンの3成分が絡むものですが、よりシンプルに考えればアルケンへのフッ素分子の付加、そんだけです。Selectfluorはフッ素カチオン源、フッ化水素はフッ素アニオン源。有機化学の教科書にもよくある、ハロゲンの求電子付加というわけです。もちろん形式的にですが。
そんなアルケンのフッ素化の触媒となるのがヨウ化アリール化合物。Graphical Abstractを見る限り、ヨウ化アリールかとフッ素源から3値のヨウ素化合物ができ、こいつがアルケンのフッ素化に関与する、と。芳香環に電子供与基が結合していると収率よく付加体が生成、そして不斉中心のある置換基がヨードベンゼンのオルト位に結合しているのを触媒とすると、アルケンへのフッ素かがエネンチオ選択的に進むようで(パラ位にに電子求引基がくっついているのは謎)。
形式的にはハロゲンの求電子付加と書きましたが、提唱されている反応機構はどうなのかと論文をざっと読んだところ、求電子付加「したがって」いるのはフッ素カチオンではなくヨウ素カチオンと著者さんたちは考えている模様。アルケンにヨウ素カチオンがゆるく結合する段階でエナンチオ面が選択され、ヨウ素カチオン-アルケン中間体の背後からフッ素アニオンがアタックしていく段階で位置が選択されるのですね。
セールスポイント、ざっくり読んだだけでははっきりしないので、あとでじっくり読んで確かめたいと思います。
計算終わりました
Just finished the calculations: 5-hydroxyisophthalic acid (H35-hiph) https://t.co/MMhuh99gvk pic.twitter.com/CGPu6wRCkE
— nanoniele (@nanoniele) April 1, 2021
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