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[読みたい論文] カルボン酸をフェニルシランで還元してアルコールにします

Viewed: 19:12:59 in June 25, 2025

Posted: March 22, 2022

Keywords: phenylsilane; N-methylmorpholine; 2-methyltetrahydrofuran; Zn; Denton, Ross M.; 有機化学; ブログ

In situ silane activation enables catalytic reduction of carboxylic acids (Stoll, Emma L.; Barber, Thomas; Hirst, David J.; Denton, Ross M.)
Chem. Commun. 2022, 58 (21), 3509–3512.
URL (Doi): 10.1039/D1CC03396D

 


カルボン酸のヒドロシラン還元に関する論文のようです。

November 29, 2021
[読みたい論文] 立体反転を伴うエステル化の触媒を固体化しました。
添加剤の要らないMitsunobu反応。
Green Chem. 2021, 23 (22), 8859−8864.

 

Graphical AbstractにあるNMMとMTHFの構造は下の通り。


カルボン酸は脂肪族でも芳香族でもいい模様。一方ヒドロシランについてはほぼフェニルシラン一択のようで、ジフェニルシランやトリエトキシシランではターゲットのアルコールの収率が低いのだとか。

要旨テキストにはフェニルシランとカルボン酸が反応してできるシリルエステルができて、これがどうにかなってカルボキシル基のヒドリド還元を恋率よく促進する旨書かれていますが、具体的にどのような反応気候なのか気になって読みたい論文に追加しました。

反応機構に関連して、上のスキームにもかる酢酸亜鉛やNMMも役割も知りたいところ。

この反応のセールスポイントって、なんだろう。反応の開発がメインなのか、機構の解明に重きが置かれているのか。

March 22, 2022
スイセン咲きました
若干遅めか。

 

この記事を書いた人

「牧岡ふうふ堂」オーナー。博士(工学)。
酒都圏在住。
某地方の国立系工業大学でアシスタントをしていました。 専門は有機反応・金属錯体(主に希土類)・π共役系。
twitterアカウントは@makiokafufudo(お仕事用)、@ymakioka(個人用)です。

 

 

 

計算終わりました

Chemical formula: C25H23NO
Molecular weight: 353.46
HOMO (eV): –5.575
LUMO (eV): –1.033
Dipole moment (D): 1.262706
 

読みたい論文シリーズ− 2022年1Q
読みたいけと読んでいない論文を、構造式を描きながら紹介します(2022年1〜3月)。

2022年1Qの記事一覧
お仕事関係の記事のリストです(2022年1〜3月)。

 

March 18, 2022
[読みたい論文] ベンゼン環の炭素-水素結合を切断してアルキンと反応させます
ヒドロアリール化。
Chem. Commun. 2022, 58 (21), 3481–3484.

March 17, 2022
[読みたい論文] スルホニルラジカルがぐるぐるまわってアルキンとアルケンがくっつきます
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March 16, 2022
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March 15, 2022
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無置換スルフィン酸アミド経由で。
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