[今日描いた構造式] 5-phenyl-1,2,3,4-thiatriazole

Viewed: 08:38:25 in December 9, 2019

Posted: February 19, 2019

[Chem. Eur. J. 2019, 25 (10), 2457−2462] Thermally-Activated Delayed-Fluorescence Emitters (Qu, Yangyang; Pander, Piotr; Bucinskas, Audrius; Vasylieva, Marharyta; Tian, Yayang; Miomandre, Fabien; Dias, Fernando B.; Clavier, Gilles; Data, Przemyslaw; Audebert, Pierre)

Keywords: 5-phenyl-1,2,3,4-thiatriazole; Pinner reaction; DMSO; TADF; PLQY

1877年に報告されたPinner反応について調べている時に予期せず見つかった、チアトリアゾールのone-pot合成法と、合成したチアトリアゾールの光物性について報告しているようです。Pinner反応はニトリルとアルコールの反応なのですが、この反応をどうアレンジしてヒドラジンと硫黄の反応にしていったのか、正直見当がつきません。経緯が論文本体に書かれているのか、それとも要旨以上のことは見当たらないのか、とても気になります。


得られたチアトリアゾールですが、いくつかの化合物についてはTADF(熱活性化型遅延蛍光)が観測されるとのこと。分子内に電子供与基と電子求引基の両方がある化合物ですね。Supporting Informationにそれっぽい化合物があります。

TADF、簡単にいえば、発光の寿命が長くなる現象です。励起三重項状態と励起一重項状態のエネルギー準位が近い時に、本来難しい(= 禁制)これら2つの相互の状態変換(= 項間交差)が、熱エネルギーの助けで可能になる、というもの。産業技術総合研究所のサイトに割とわかりやすいTADFの説明があります。

反応機構を知りたいので、読みたい論文に追加です。Graphical abstractにDMSO (dimethyl sulfoxide)が記述されてるの、重要な情報なのでしょうか。

この記事を書いた人
「牧岡ふうふ堂」オーナー。博士(工学)。
酒都圏在住。
某地方の国立系工業大学でアシスタントをしていました。 専門は有機反応・金属錯体(主に希土類)・π共役系。
twitterアカウントは@makiokafufudo(お仕事用)、@ymakioka(個人用)です。

 

きょうのどうぶつ

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近所の池で越冬している、名前のわからない鳥。

 

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