[化学系論文] Org. Lett.での日本人シェアを調べました−初巻から2018年の巻まで

Viewed: 08:06:28 in December 9, 2019

Posted: February 25, 2019

(2018年版の主要雑誌の集計結果はこちら)

アメリカ化学会の有機化学系学術雑誌Org. Lett.での日本人論文のシェアについて、1999年(初巻)から2018年まで調べました。

適当に調べたので、信頼度も適当ということで…。

数字だけを見たい方には、こちらがオススメです。

 

ざっくりコメント


J. Org. Chem. (JOC)の速報(レター)を引き継いだ形で1999年にOrg. Lett.の初巻が発行されました。2008年に20%近いシェアをつけた後、2018年にかけて日本人シェアは下落しています。

J. Org. Chem.でのシェアと比較すると、Org. Lett.の方が高いことがわかります。

 

有機化学系雑誌での論文数の推移は?


J. Org. Chem.の論文数は1960年代から2018年にかけて、あまり増えてはいません。一方Org. Lett.の論文数は、初巻の発行から増加を続けており、最近ではJ. Org. Chem.とOrg. Lett.の論文数の和が、J. Am. Chem. Soc.のそれよりも多くなっています。


一方、日本人著者の論文の数ですが、J. Org. Chem.のものとOrg. Lett.のものの和は2000年代がピークとなっています。J. Org. Chem.については、Org. Lett.が発行されてから減少傾向にあります。


J. Org. Chem.とOrg. Lett.での日本人シェアは、2000年代初頭にピークを迎え、その後減少する傾向にあります。2000年以降のシェアは、J. Am. Chem. Soc.のものとだいたい同じくらいで推移しています。

日本人著者の論文数もそうですが、日本人シェアも、フルペーパーからレターへのシフトが見て取れます。より早い論文発表が好まれるとも言えますが、ジャーナルの電子化により、実験項などが書かれたSupporting Informationを容易に見ることができるようになったことも、理由の一つかもしれません。

この記事を書いた人
「牧岡ふうふ堂」オーナー。博士(工学)。
酒都圏在住。
某地方の国立系工業大学でアシスタントをしていました。 専門は有機反応・金属錯体(主に希土類)・π共役系。
twitterアカウントは@makiokafufudo(お仕事用)、@ymakioka(個人用)です。

 

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伝え聞いた話です。