[読みたい論文] 高速室温重合でπ共役ポリマーを作ります

Viewed: 08:57:11 in December 9, 2019

Posted: July 17, 2019

A General and Air-tolerant Strategy to Conjugated Polymers within Seconds under Palladium(I) Dimer Catalysis (Magnin, Guillaume; Clifton, Jamie; Schoenebeck, Franziska)
Angew. Chem. Int. Ed. 2019, 58 (30), 10179−10183.

Keywords: Pd; Zn; nBuLi; Negishi cpupling


Pd(I)触媒下でのジハロアレーンの重合反応について報告しています。論文の売りは何と言っても重合の速さ。室温下、数分で重合が完了すると言うスグレモノ。nBuLi/ZnCl2でモノマーを有機亜鉛にした後カップリングさせてポリマー鎖を長くしていくのですね。単重合限定、ということでしょうか。

オープンアクセスなのでとりあえずざっと読みました。Pd触媒によるπ共役化合物の重合反応はたくさんあるけど触媒やら温度やら反応毎に最適条件が異なるのがアレだ、室温でスムーズに重合が行える万能な触媒があったらええじゃん、と。わたしも学生だった時に考えていましたよ。重合反応じゃなかったですけど、不斉反応で。教員さんにそれを話したら「無理や!」と苦笑い。

でもまあ、適用範囲の広い触媒があるのはいいことだと思います。あとでじっくり読みたいと思います。

ところで、重合反応の進行にはまだ考えないといけないことがあるんですよね。溶解度。これ、ホント、悩まされました。再沈殿もできないし、重合度の測定すらできない(溶けないからGPCにインジェクトできん)なんてこともしょっちゅう。

お願いだから反応を仕掛けた後にコーヒーを飲む、俺の楽しみを奪わないでください (もう実験しないけど

この記事を書いた人
「牧岡ふうふ堂」オーナー。博士(工学)。
酒都圏在住。
某地方の国立系工業大学でアシスタントをしていました。 専門は有機反応・金属錯体(主に希土類)・π共役系。
twitterアカウントは@makiokafufudo(お仕事用)、@ymakioka(個人用)です。

 

1943年はこんな年

人名反応など
Alder ene反応 [Doi 1]
ノーベル化学賞
化学反応研究におけるトレーサーとしての同位体の応用研究
(George de Hevesy)
できごと
内閣印刷局が大蔵省印刷局へ
軍需省と農商省を設置
鉄道省と逓信省が改組により運輸通信省へ
東京都制
財団法人大日本育英会が発足
菱備製作所(リョービ)設立
大王製紙設立
東京日日新聞と大阪毎日新聞が題号を毎日新聞に統一
静岡銀行設立
三井・第一銀行合併して帝国銀行設立
京阪神急行電鉄設立
上田丸子電鉄設立
万世橋駅が営業を休止
日本初の国産長編アニメ映画「桃太郎の海鷲」が公開

 

きょうのどうぶつ

ここの画像を使用しています。

チャシロ「ほれ」。

 

計算終わりました

 

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