[読みたい論文] タンタル触媒下でアミノ酸のアミド結合が形成します

Viewed: 22:58:25 in January 26, 2020

Posted: December 5, 2019

Tantalum-Catalyzed Amidation of Amino Acid Homologues (Muramatsu, Wataru; Yamamoto, Hisashi)
J. Am. Chem. Soc. 2019, 141 (48), 18926−18926.

Keywords: amino acid; Ta; TMSIM; protecting group; 読みたい論文シリーズ; 有機化学; ブログ


タンタル触媒によるアミノ酸の脱水縮合反応について報告している論文のようです。溶媒が不要であることと、反応中にアミノ酸のエピマー化が起きないことが、この論文の売りのようです。

2種類のアミノ酸の脱水縮合で、片方の種類のアミノ酸のアミノ基、もう片方のアミノ酸のカルボキシル基をそれぞれ保護することにより、同じ種類のアミノ酸同士の縮合が起きないようにしています。反応に使用する前者と後者のモル比は2:1で「カルボキシル基」が過剰に存在する系です。そして使用するTa(OCH3)5は後者のアミノ酸エステルに対して10mol%。脱水反応ですので、脱水材として窒素−ケイ素結合を持つイミダゾールを使う、と。なるほどです。そして反応容器は5-mLサイズのサンプル瓶。

Supporting Informationを見てみると、反応させているアミノ酸の種類も多いですが、アミノ基の保護基の種類もたくさんありまして、Bocが基本で、他にはAcBzPhtBsCbzFmoc等、色々。一方カルボン酸側はほとんどがtBu基で一部TMS…か。アミノ酸ではなく単純なアミド結合の形成例もありますし、チオールエステルの例もありますね。実験例多いです。NMRスペクトルが綺麗だなあ。

この記事を書いた人
「牧岡ふうふ堂」オーナー。博士(工学)。
酒都圏在住。
某地方の国立系工業大学でアシスタントをしていました。 専門は有機反応・金属錯体(主に希土類)・π共役系。
twitterアカウントは@makiokafufudo(お仕事用)、@ymakioka(個人用)です。

 

きょうのどうぶつ

ここの画像を使用しています。

前足を重ねるミケ。

 

計算終わりました

 

あわせてどうぞ

SOHOのすすめ記事一覧 2019年
お仕事関係の記事のリストです(2019年)。

読みたい論文シリーズ− 2019年4Q
読みたいけと読んでいない論文を、構造式を描きながら紹介します(2019年10〜12月)。

 

[読みたい論文] 主鎖を簡単に切断できる高分子をシリルビニルエーテルとケタールから作ります
高分子化学の論文には略号がたくさん出てきます。
ACS Macro Lett. 2019, 8 (11), 1498−1503.

[読みたい論文] トリフルオロメチルスルホニル基が脱離するSuzuki−Miyauraカップリング
炭素−硫黄結合切断シリーズ。
Org. Lett. 2019, 21 (22), 8987−8991.

[読みたい論文] Nef反応: ニトロアルカンが「還元」反応でケトンになります。
酸化違うんかい。
Org. Lett. 2019, 21 (22), 8893−8898.

[読みたい論文] Pd触媒下でのアレーンのアルキニル化
論文タイトルに悩む。
J. Am. Chem. Soc. 2019, 141 (47), 18662−18667.

[読みたい論文] Ir錯体: 歪んだアルキンと反応させたら光るようになりました
邪魔者窒素分子が飛んでいく。
Chem. Commun. 2019, 55 (95), 14283−14286.

[読みたい論文] アニリンとアルキンの反応: ヒドロアミノ化ではなくてヒドロアリール化です。
反応経路の途中の分かれ道。
Org. Lett. 2019, 21 (22), 9153−9157.

[読みたい論文] リン化合物を使ってスルホン酸アミドをスルフィン酸にします
見かけより複雑な反応。
J. Am. Chem. Soc. 2019, 141 (46), 18416−18420.

[読みたい論文] 直線構造ではない金属アセチリド
単核の構造でも、です。
Chem. Commun. 2019, 55 (92), 13860−13863.

[読みたい論文] インジウム−ロジウム結合を持つ有機金属錯体でC−H結合活性化
カチオン錯体とするところが鍵なのでしょうか。
Angew. Chem. Int. Ed. 2019, 58 (48), 17251−17254.

[読みたい論文] アルコールを介するギ酸分解。遷移金属触媒は不要です。
これ溶媒が分解しとるだけじゃないんかと思ったが、果たして…?
Angew. Chem. Int. Ed. 2019, 58 (48), 17215−17219.

 

注目のWebコンテンツ

酸化アルミニウムでできた
(村井君のブログ)
http://murai-kun.cocolog-nifty...

性格一変 国内製薬の大型買収 技術獲得狙いに
(化学工業日報)
https://www.chemicaldaily.co.j...

コニカミノルタ、ワイポグリーン参画 技術開放し環境配慮に貢献
(日刊工業新聞)
https://www.nikkan.co.jp/artic...

元素分析、再測定回数を低減 米アジレントが新型装置
(日刊工業新聞)
https://www.nikkan.co.jp/artic...

東京・町田市の鶴川団地、買い物の高齢者送迎 全国初の自家用有償旅客運送
(日刊工業新聞)
https://www.nikkan.co.jp/artic...

立正大、データ分析学ぶ新拠点 21年度めど開設
(日刊工業新聞)
https://www.nikkan.co.jp/artic...

千葉大、外部収入2割増へ 21年度52億円 基礎研究の支援強化
(日刊工業新聞)
https://www.nikkan.co.jp/artic...

隔離した1神経細胞の概日リズム測定にはじめて成功~概日リズム中枢の神経ネットワーク解明に大きく前進~
(北海道大学)
https://www.hokudai.ac.jp/news...
哺乳類の単一の神経細胞を物理的に隔離して長期間培養し,リズムを可視化する手法を確立し,概日(がいじつ)リズムの中枢領域である視交叉上核(しこうさじょうかく)の神経細胞は1個のみでも安定した概日リズムを刻むこと,また,脳組織を構成するグリア細胞が神経細胞の概日リズムを不安定化させることを発見しました…

共同研究部門(放射光次世代計測科学連携研究部門)の設置について
(東北大学)
https://www.tohoku.ac.jp/japan...
次世代放射光源のための先端的ビームライン・計測技術の研究開発を目的とし、令和元年11月から令和6年10月の5ヶ年間に亘り、東北大学多元物質科学研究所に共同研究部門を開設いたしました…

グラフェンと光ナノ導波路で超高速・低消費エネルギーの 全光スイッチングを実現 超高速な光情報処理集積回路へ向けて前進
(東京工業大学)
https://www.titech.ac.jp/news/...
ピコ秒(1兆分の1秒)以下の超高速領域で動作する全光スイッチを世界最小の消費エネルギーで実現しました…

世界のCO₂排出量は3年連続で増加するも、 増加率は低下の見通し~国際共同研究(グローバルカーボンプロジェクト)による評価~
(国立環境研究所)
http://www.nies.go.jp/whatsnew...
グローバルカーボンプロジェクト(GCP) は、2019年の世界のCO2排出量について、前年比で約0.6%の増加となる見込みであることを発表します…

ホワイト物流を実現する業界横断型共同輸送マッチングサービス事業がNEDO助成事業に採択されました
(明治大学)
https://www.meiji.ac.jp/koho/p...
立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募した助成事業「Connected Industries推進のための協調領域データ共有・AIシステム開発促進事業」において、「ホワイト物流を実現する業界横断型共同輸送マッチングサービス」を提案し採択されました…

放射光により原子の形を自在に変えることに成功 -放射光による量子状態制御の応用-
(富山大学)
https://www.u-toyama.ac.jp/out...
極端紫外領域(注 1)の放射光(注 2)を用いて、ヘリウム原子の空間的な 形状を操作することに成功しました…

放射光により原子の形を自在に変えることに成功-放射光による量子状態制御の応用-
(分子科学研究所)
https://www.ims.ac.jp/news/201...
アト秒精度の制御技術をさらに発展させ、ヘリウム原子の二つの軌道を重ね合わせて、電子雲の向きや形を精密に操作することに成功しました…

放射光により原子の形を自在に変えることに成功 -放射光による量子状態制御の応用-
(広島大学)
https://www.hiroshima-u.ac.jp/...
放射光による電子 状態の操作により、物質機能の探索およびデザイン、高速動作デバイスの開発といった多様 な応用に繋がるものと期待されます…

1億年前に形成した海底下深部の溶岩から微生物細胞の検出に成功 -火星生命を発見するための手がかりに-
(東京大学)
https://www.s.u-tokyo.ac.jp/ja...
岩石内部の微生物細胞を可視化する技術を開発し、1億年前に形成した溶岩の亀裂内部を調べた結果、玄武岩と亀裂の間を埋める粘土鉱物に微生物細胞が密集していることが明らかとなった…

薬物依存症等の精神・神経疾患の新規治療薬開発への鍵 ~ 報酬記憶制御の分子メカニズムを解明 ~
(名古屋大学)
https://www.med.nagoya-u.ac.jp...
「快感」や「意欲」な どの感情を引き起こすドーパミンによる報酬(快感)関連行動・記憶形成制御の分子メカニズムを明ら かにしました…

水素エネルギー国際研究センターが地球温暖化防止活動環境大臣表彰を受賞! ~水素エネルギー先端研究拠点を活用した脱炭素環境教育~
(九州大学)
http://www.kyushu-u.ac.jp/f/37...
九州大学水素エネルギー国際研究センターは、本学伊都キャンパスを「水素キャンパス」と位置づ け、未来の水素社会を具現化する取り組みとして「水素社会ショールーム」を設けてエネルギー技術 を可視化し、約 15 年にわたり水素エネルギーの環境教育活動や啓発活動、情報発信、社会受容性の 向上に努めてきました…

建築IoTを利用した安全・安心な知能住宅の実証実験を開始 ~葛飾区・公舎等における実証実験を開始します~
(東京理科大学)
https://www.tus.ac.jp/mediarel...
センサーと通信機器を実装したデバイスの試作品が完成し、公舎使用時の各種振動を利用して、建物のモニタリングの有効性について実証的な検討を本格的に開始します…

高性能で安全な蓄電デバイス開発に向けた、新たな電極材料の開発に成功 ~導電性ナノダイヤモンドを用いた高性能電気二重層キャパシタの作成~
(東京理科大学)
https://www.tus.ac.jp/mediarel...
高エネルギー密度かつ高出力密度を実現できる導電性ボロンドープナノダイヤモンド(BDND)の開発に成功しました…

 

注目の論文

[Tetrahedron Lett. 2019, 60, 151313]
Design and synthesis of a phenyl C-glycoside derivative of Spliceostatin A and its biological evaluation toward prostate cancer treatment
(Yoshikawa, Yusuke; Ishibashi, Airi; Murai, Kenichi; Kaneda, Yasufumi; Nimura, Keisuke; Arisawa, Mitsuhiro)
Tag: Sn, Ph

[Tetrahedron Lett. 2019, 60, 151314]
Cobalt-catalyzed hydrocyanation and hydroarylation of enamines
(Arai, Shigeru; Sato, Yuichi; Ito, Natsuki; Nishida, Atsushi)
Tag: Bzl, Bz, CHB, C, N, Bn, NH2, Ar

環化付加反応  
[J. Organomet. Chem. 2020, 905, 121006]
CpCo(I)- and Cp*Ru(II)Cl-catalyzed [2+2+2] cycloadditions of siladiynes and alkynes: A combined experimental and theoretical study
(Amakasu, Toru; Sato, Keisuke; Ohta, Yusuke; Kitazawa, Genki; Sato, Hidefumi; Oumiya, Kouta; Kawakami, Yoshiteru; Takeuchi, Takae; Kabe, Yoshio)
Tag: C, Het, Si, Sn, MECP, expt., C, CA

鉄  
[Mol. Pharmaceutics 2019, 16, XXX−XXX]
Molecular Mobility Suppression of Ibuprofen-Rich Amorphous Nanodroplets by HPMC Revealed by NMR Relaxometry and Its Significance with Respect to Crystallization Inhibition
(Ueda, Keisuke; Yamamoto, Neo; Higashi, Kenjirou; Moribe, Kunikazu)
Tag: aq., sepd., IBU, Fe, Tg, Sn, soly.

[Mol. Pharmaceutics 2019, 16, XXX−XXX]
Physiologically-Based Pharmacokinetic Model on the Oral Drug Absorption in Roux-en-Y Gastric Bypass Bariatric Patients: Amoxicillin Tablet and Suspension
(Montanha, Maiara Camotti; Diniz, Andréa; Kimura, Elza; Paixão, Paulo)
Tag: AMX, Sn, ABS, estn.

[Angew. Chem. Int. Ed. 2019, 58, 17918−17929]
Chemical Functionalization of Nanodiamonds: Opportunities and Challenges Ahead
(Reina, Giacomo; Zhao, Li; Bianco, Alberto; Komatsu, Naoki)
Tag: ND, OTS, e-

[Angew. Chem. Int. Ed. 2019, 58, 18003−18010]
Anisotropic Thermal Expansion as the Source of Macroscopic and Molecular Scale Motion in Phosphorescent Amphidynamic Crystals
(Jin, Mingoo; Yamamoto, Sho; Seki, Tomohiro; Ito, Hajime; Garcia‐Garibay, Miguel A.)
Tag: Au

[Angew. Chem. Int. Ed. 2019, 58, 18150−18153]
A Cyclic (Alkyl)(boryl)germylene Derived from a Cyclic (Alkyl)(amino)germylene
(Rao, Bin; Kinjo, Rei)
Tag: Sn, LB, Alk

[Angew. Chem. Int. Ed. 2019, 58, 18154−18158]
Catalytic Enantioselective Methylene C(sp3)−H Amidation of 8‐Alkylquinolines Using a Cp*RhIII/Chiral Carboxylic Acid System
(Fukagawa, Seiya; Kojima, Masahiro; Yoshino, Tatsuhiko; Matsunaga, Shigeki)
Tag: Et, Sn, Naph, Nap, Np, COOH, FG, 91-22-5, Me, C2H4, C, Alk

[Angew. Chem. Int. Ed. 2019, 58, 18252−18256]
Loss of Single‐Domain Function in a Modular Assembly Line Alters the Size and Shape of a Complex Polyketide
(Peng, Huiyun; Ishida, Keishi; Hertweck, Christian)
Tag: KR, PKS, PK, KRED

ポリオキソ金属酸  
[Angew. Chem. Int. Ed. 2019, 58, 18281−18285]
Asymmetric Hybrid Polyoxometalates: A Platform for Multifunctional Redox‐Active Nanomaterials
(Hampson, Elizabeth; Cameron, Jamie M.; Amin, Sharad; Kyo, Joungman; Watts, Julie A.; Oshio, Hiroki; Newton, Graham N.)
Tag: NS, as, Sn, POM

[J. Med. Chem. 2019, 62, 10204−10220]
Discovery of a Potent, Selective, and Orally Available MTHFD2 Inhibitor (DS18561882) with in Vivo Antitumor Activity
(Kawai, Junya; Toki, Tadashi; Ota, Masahiro; Inoue, Hidekazu; Takata, Yoshimi; Asahi, Takashi; Suzuki, Makoto; Shimada, Takashi; Ono, Kaori; Suzuki, Kanae; Takaishi, Sachiko; Ohki, Hitoshi; Matsui, Satoshi; Tsutsumi, Shinji; Hirota, Yasuhide; Nakayama, Kiyoshi)
Tag: Et, Sn, 57-13-6, Cou, NH2, BZA, BzOH, BCC, TGI, Me

[J. Med. Chem. 2019, 62, 10221−10244]
Discovery of Novel Small Molecule Dual Inhibitors Targeting Toll-Like Receptors 7 and 8
(Padilla-Salinas, Rosaura; Anderson, Rachel; Sakaniwa, Kentaro; Zhang, Shuting; Nordeen, Patrick; Lu, Chuanjun; Shimizu, Toshiyuki; Yin, Hang)
Tag: ss, lb, DPE, ADO, pmd, Sn, TLR, 93-98-1, 288-99-3, OXD, 91-22-5, Ph

[J. Agric. Food Chem. 2019, 67, 13127−13138]
Development of Rice-Seed-Based Oral Allergy Vaccines Containing Hypoallergenic Japanese Cedar Pollen Allergen Derivatives for Immunotherapy
(Takaiwa, Fumio; Yang, Lijun; Takagi, Hidenori; Maruyama, Nobuyuki; Wakasa, Yuhya; Ozawa, Kenjiro; Hiroi, Takachika)
Tag: ER, Ab