電子水なるものを見聞きしたので構造を計算しました。

Viewed: 12:27:38 in December 6, 2019

Posted: April 19, 2019
WordPressの記事をアーカイブ化したものです。

この記事を書いた人
「牧岡ふうふ堂」オーナー。博士(工学)。
酒都圏在住。
某地方の国立系工業大学でアシスタントをしていました。 専門は有機反応・金属錯体(主に希土類)・π共役系。
twitterアカウントは@makiokafufudo(お仕事用)、@ymakioka(個人用)です。

[おやくそく] あくまでもネタとしてお読みください。この記事の内容や私の経歴・肩書きを商用利用することはおやめください。

電子水というものがどんなものなのかはよくわからないのですが、どこかのメディアで取り上げられたとかどうとか。

電子水の実際の構造がどんなものなのかはわからないのですが、多分水分子が電子を受け取ったものなんだろうと勝手に想像して、DFT計算での構造最適化を無理くりにやりました。今回も反省はしていません。

まずは計算用の入力ファイルを作成しました。

3D分子モデリングアプリで水分子の構造を作り、そこから座標データに変換しました。そいつに計算パラメータを追加。

今となってはクラシックなB3LYP/6-31G(d)。水分子が1電子受け取っているので、電荷(ICHARG)は−1。1電子受け取ったということは水のラジカルアニオンということなので、開殻系(SCFTYP = UHF)、2重項(MULT = 2)での計算。

 

計算結果は…

構造は一応最適化されました。

まずは普通の水分子の構造から。

赤色のが酸素原子、グレーのが水素原子です。酸素原子1つと水素原子2つで水分子。H2Oですね。

計算では、水素原子と酸素原子の距離は0.989Å、水素原子−酸素原子−水素原子の角度は103.6ºです。Wikipediaに記載されている数値はそれぞれ0.958å、104.5ºですので若干の違いはありますが、変な値ではないとは言えます。

では電子水、ではなかった電子を1つ受け取った水はというと…。

図だけでも若干の違いがわかりますね。

水素原子と酸素原子の距離は1.083Åで、「ふつうの」水分子のものより長くなっています。角度はそれほど変わってはいない模様。

ちなみにこれがSOMO。きのこの山。

振動解析?聞くな。

 

あわせてどうぞ

むりくり計算シリーズ
H4OやH14などの分子構造をむりくり計算しました。信じるも信じないもあなた次第。

アーカイブ化したWordPress記事
よく読まれている記事をアーカイブ化しました。

ツブ貝中毒を経験した話
忘れてしまいそうなので、ツブ貝中毒になった話を書きました。

[Nanoniele] EWG: electron-withdrawing group
EWG関連の研究は、有機化学の分野で活発に行われています。

[Nanoniele] 論文URL検索可能なジャーナルの一覧
略号収集のついでに検索できるように。

【ポケモンGO】広島大学のポケストップ
記事を書いた当時の話です。

[GAMESS] トリチウム水分子の構造最適化をしました。
特定の原子を同位体に置き換える方法を試しました。

【本日の化学略語】ACE
アセトンの略語があるとは驚きです。

H4O2+イオンの構造を最適化した
何の変哲も無い(?)H4O2+イオンの構造最適化です。

40年ぶりにアデーシャン@シャンボール
こどもの頃に食べましたよアデーシャン。

[読みたい論文] このアルキル亜鉛錯体水に強いん?
アート型じゃないのは発火するよね…

[読みたい論文] σ結合メタセシスて、こういうところあるよね
ちょっとしたことで反応が変わってくる、それがσ結合メタセシス。