[読みたい論文] 芳香族性ぶっこわし

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Posted: December 13, 2016
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この記事を書いた人
「牧岡ふうふ堂」オーナー。博士(工学)。
酒都圏在住。
某地方の国立系工業大学でアシスタントをしていました。 専門は有機反応・金属錯体(主に希土類)・π共役系。
twitterアカウントは@makiokafufudo(お仕事用)、@ymakioka(個人用)です。

 

付加体の水素て、どっから来たん?

形式上はベンゼン環からみたいだけど、実際どうなん?

[Angew. Chem. Int. Ed. 2016, 55 (51), 15910−15914]

Arenophile-Mediated Dearomative Reduction (Okumura, Mikiko; Nakamata Huynh, Stephanie M.; Pospech, Jola; Sarlah, David)

Web: http://dx.doi.org/10.1002/anie.201609686

Graphical Abstractお借りしますね。

MTADて、N-methyl-1,2,4-triazoline-3,5-dioneね。Aldrichなどが販売してます。アレーンノフィル?なんちゃらophileて、求なんちゃら剤ね。

んで、この反応、LEDが発する可視光を使用するわけなのですが、反応装置とか、可視光のスペクトルとか、Supporting Informationにしっかり書いてます。親切。

反応ですが、MTADを入れて-78℃まで冷却、酢酸エチル(融点は-83℃くらい)を加え、そのあとアレーン(10倍モル量!)を加える。で、混合物の色が消えるまでLEDライトをあてながら撹拌。その後LEDライトを消してアゾジカルボン酸ジカリウム(KO2CN=NCO2K, Graphical Abstractにあるジイミドてこれのことね)を加え、続いて酢酸を加える、−50℃で5時間撹拌して水でクエンチ…と、大体こんな流れです。

抽出&カラムクロマトで環化付加体を単離したものを、水酸化カリウムと塩化銅で処理すれば形式上の水素化体A、水酸化カリウム/ベンゾイルクロリドとヨウ化サマリウムで処理すればジアミノシクロヘキセンBになる、と。なるほど。

ほうほうと読めそうなので、読みたい論文に追加です。

 

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