[読みたい論文] それ、配位子ではなくて塩基では?

Viewed: 21:35:55 in December 9, 2019

Posted: July 19, 2017
WordPressの記事をアーカイブ化したものです。

この記事を書いた人
「牧岡ふうふ堂」オーナー。博士(工学)。
酒都圏在住。
某地方の国立系工業大学でアシスタントをしていました。 専門は有機反応・金属錯体(主に希土類)・π共役系。
twitterアカウントは@makiokafufudo(お仕事用)、@ymakioka(個人用)です。

 

この反応、塩基が必要ですよね?

まさかとは思いますが…。

[J. Am. Chem. Soc. 2017, 139 (27), 9144−9147]
Molecular Adsorbates Switch on Heterogeneous Catalysis: Induction of Reactivity by N-Heterocyclic Carbenes (Ernst, Johannes B.; Schwermann, Christian; Yokota, Gen-ichi; Tada, Mizuki; Muratsugu, Satoshi; Doltsinis, Nikos L.; Glorius, Frank)
Web: https://doi.org/10.1021/jacs.7b05112

Graphical Abstractお借りしますね。

アルミナ担持Pdナノ粒子上での、ブロモベンゼンとアニリンの反応について。

均一系のPd触媒下での反応(Buchwald–Hartwig アミノ化)では、ジフェニルアミンと同時に生成する臭化水素を補足するための塩基が必要とl記憶しているのですが、この論文ではどんな塩基を使っているのだろうと思いました。

しかもGAに書いているN-ヘテロ環カルベン、これがあると反応が進行するということらしいですが、このN-ヘテロ環カルベンは確かイミダゾリウム塩と塩基から作るものではと。

ますます塩基のことが気になりました。

Supporting Informationをざっと読んでみると…書いてありました。

t-BuOK (1.5 equiv) … 安心しました。

Buchwald–Hartwig アミノ化にも使われている塩基ですね、確か。

N-ヘテロ環カルベンが塩基として機能してるのではないかと、少し疑いましたよ。よかったよかった。

となると、N-ヘテロ環カルベンは配位子として機能しているのでしょう。その機能が、均一系のPd触媒の場合と同じなのか、異なっているのか、反応機構も含めて気になるところですね。

そんなわけで、読みたい論文に追加です。

 

あわせてどうぞ

アーカイブ化したWordPress記事
よく読まれている記事をアーカイブ化しました。

[読みたい論文] リン-水素結合切断: tBuOKで
20年続く、息の長い研究です。

[読みたい論文] C-H結合活性化?Pdの価数がようわからん
カルベン錯体なのかアルキリデン錯体なのか、ようわからんね。

H3O+イオンの構造を最適化した
何の変哲も無いH3O+イオンの構造最適化です。

2019年3月28日のコンテンツから
台風の日。

2019年8月28日のコンテンツから
台風の日。

2019年9月30日のコンテンツから
WordPress最後の記事。

2019年9月19日のコンテンツから
まとめました。

2019年6月19日のコンテンツから
登録略語数が39,000を超えました。

2019年9月13日のコンテンツから
今日もアゴ乗せチャシロさん。

2019年5月13日のコンテンツから
花田のミキ。