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Posted: January 8, 2016
WordPressの記事をアーカイブ化したものです。
この記事を書いた人
「牧岡ふうふ堂」オーナー。博士(工学)。
酒都圏在住。
某地方の国立系工業大学でアシスタントをしていました。
専門は有機反応・金属錯体(主に希土類)・π共役系。
twitterアカウントは@makiokafufudo(お仕事用)、@ymakioka(個人用)です。
高分子合成の永遠のテーマ。
[
ACS Macro Lett. 2015,
4 (12), 1346−1350]
Rational Use of Aromatic Solvents for Direct Arylation Polycondensation: C-H Reactivity versus Solvent Quality (Matsidik, Rukiya; Komber, Hartmut; Sommer, Michael)
Web:
https://doi.org/10.1021/acsmacrolett.5b00783
Graphical Abstractお借りしますね。

高分子合成に使う溶媒のお話。
低分子量の化合物の反応が効率良く進行する溶媒を、類似の構造の高分子化合物の合成に使えないことがあります。
その原因の一つが高分子化合物の溶解性。分子量が大きいほど、つまり、重合度が大きくなるほど高分子の溶解性が低くなり、ある程度の重合度になると高分子化合物が析出して重合が止まってしまう、そんなことがあるのです。
その一方で、溶解力の大きい溶媒であっても、溶媒が反応してしまってはどうしようもないわけです。
そんなわけで、高い重合度を求める高分子合成では、溶媒の選択が重要になってくるわけです。
この論文では、芳香族化合物のC-H結合活性化反応を経る重合反応を進めることができ、溶媒自身が反応しない溶媒を選ぶ上でどんな要素を考慮すればいいのか、いくつかの芳香族化合物系溶媒を試すことによりそのヒントを探ってるんだろうと思われます。
詳しくは論文で。というわけで読みたい論文に追加です。
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