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[読みたい論文] 不斉Suzuki–Miyauraカップリング

Viewed: 00:00:53 in July 15, 2025

Posted: August 31, 2022

Keywords: Pd; Suzuki–Miyaura coupling; cross-coupling; carbon–carbon bond formation; asymmetric synthesis; ee; SPHOS; OAc; dba; Bpin; Phipps, Robert J.; 有機化学; ブログ

An Enantioselective Suzuki–Miyaura Coupling To Form Axially Chiral Biphenols (Pearce-Higgins, Robert; Hogenhout, Larissa N.; Docherty, Philip J.; Whalley, David M.; Chuentragool, Padon; Lee, Najung; Lam, Nelson Y. S.; McGuire, Thomas M.; Valette, Damien; Phipps, Robert J.)
J. Am. Chem. Soc. 2022, 144 (33), 15026–15032.
URL (Doi): 10.1021/jacs.2c06529

 


Suzuki–Miyauraカップリングに関する論文のようです。

August 16, 2022
[読みたい論文] 芳香族スルホン酸にくっついている窒素原子を芳香環に移します
ヒドロキシルアミンと鉄。
Angew. Chem. Int. Ed. 2022, 61 (33), e202204025.

 

アリール-アリールカップリングによりビアリール化合物が生成するSuzuki–Miyauraカップリングに不斉反応なんかあるのかとめっちゃ油断してました。そうか軸不斉か光学活性ビアリールか、と。

パラジウム触媒と塩基の存在下でのアリールハライドとアリールボロン酸エステルの反応。使用されるパラジウム種は2価の酢酸パラジウムか0価のPd2(dba)3。塩基はリン酸ナトリウムかフッ化カリウム。それぞれ前者同士と後者同士の組み合わせ。


そしてエナンチオ選択的な反応を実現するために添加されるのが不斉配位子で、これもまた光学活性ビアリール化合物であるsSPhos。SPHOSをベースに、ベンゼン環にスルホン酸のナトリウムをくっつけた構造。水系または水/有機溶媒混合系の反応を想定しているのかわかりませんが、この官能基をつけた意図についてはどうしても知りたいところです。


気になるのは反応機構。生成物の立体がどの段階で決まるのか、還元的脱離による炭素-炭素結合のところなのか、その前のパラジウム種のところであらかた決まっているのか。その辺りを知りたいので、読みたい論文に追加しました。

August 31, 2022
窓が気になるキジトラ1号
その後そそくさと退散。

 

 

読みたい論文シリーズ− 2022年3Q
読みたいけと読んでいない論文を、構造式を描きながら紹介します(2022年7〜9月)。

2022年3Qの記事一覧
お仕事関係の記事のリストです(2022年7〜9月)。

 

この記事を書いた人

「牧岡ふうふ堂」オーナー。博士(工学)。
酒都圏在住。
某地方の国立系工業大学でアシスタントをしていました。 専門は有機反応・金属錯体(主に希土類)・π共役系。
twitterアカウントは@makiokafufudo(お仕事用)、@ymakioka(個人用)です。

 

 

 

計算終わりました

Chemical formula: C10H20O7P2
Molecular weight: 314.21
HOMO (eV): –6.279
LUMO (eV): –0.010
Dipole moment (D): 4.266183
 

August 30, 2022
[読みたい論文] ヒドロアリール化とNazarov環化を組み合わせて環を2つ作ります
さらにキラル中心も。
Angew. Chem. Int. Ed. 2022, 61 (35), e202207406.

August 29, 2022
[読みたい論文] イミンとアルキンを直接くっつけてプロパルギルアミンにします、エナンチオ選択的に
そこにキラリティはあるんか。
Angew. Chem. Int. Ed. 2022, 61 (35), e202206835.

August 26, 2022
[読みたい論文] 色々素早く反応するフッ化スルホンイミニウム
60秒で終わる。
Org. Lett. 2022, 24 (32), 5962–5966.

August 25, 2022
[読みたい論文] シクロプロパノールをシクロプロピルアミンに変換します
立体保持である理由とは。
Org. Lett. 2022, 24 (32), 5869–5873.

August 24, 2022
[読みたい論文] 安定な基質でシクロプロパン骨格を構築します
カルベンなのかカルベノイドなのか。
J. Am. Chem. Soc. 2022, 144 (32), 14471–14476.

 

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