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Keywords: I; mCPBA; TfOH; Doobary, Sayad; Olofsson, Berit
Sustainable and scalable one-pot synthesis of diaryliodonium salts (Doobary, Sayad; Kersting, Leonard; Villo, Piret; Akter, Marufa; Olofsson, Berit)
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トリフルオロメタンスルホン酸存在下でのヨードアレーンのmCPBA酸化と引き続くアレーンの反応。非対称ジアリールヨードニウムトリフラートが生成します。「引き続く」のところの反応は芳香族親電子置換。既知の反応2つを組み合わせることにより、ジアリールヨードニウムを大量(25gスケール)に合成できることがこの論文の反応のセールスポイントのようです。
このテの反応の溶媒と言えばジクロロメタンが個人的には頭に浮かびますが、この反応では酢酸エチルが使われていて、ジクロロメタンを使う時よりも収率は高い模様。酢酸エチル、ヨードニウム塩を溶かすことができるのかなと思ったりします。後処理法もなのですが、反応後の混合物の様子が気になります、溶液なのか懸濁液なのか。そうえいば酢酸エチル、mCPBAに酸化されやすいのでしょうか(それはそれで好都合かもしれない)。
反応の様式から妥当なところと思いますが、反応の適用範囲を見る限り、ヨードアレーンには電子求引基が芳香環に結合しているもの、アレーンには電子供与基が結合しているものが好ましいようです。驚いたのがヨードピリジン化合物が反応に使えること。ピリジニウム塩にはならないのですね。他にも驚きの反応例があるかもしれません。そんなわけで読みたい論文に追加しました。
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