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[読みたい論文] エナンチオ選択的なC–Hアリール化

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Posted: May 28, 2025

読みたい論文シリーズ− 2025年2Q
読みたいけと読んでいない論文を、構造式を描きながら紹介します。読んでないので時々間違えます(2025年4〜6月)。

Keywords: C–H bond activation; carbon–carbon bond formation; Pd; asymmetric synthesis; Bpin; er; kinetic resolution; electrophilic aromatic substitution; Mascareñas, José Luis; Gulías, Moisés

Palladium-Catalyzed Enantioselective C–H Arylations and Alkenylations of 2-Aminobiaryls with Atmospheric Air as the Sole Oxidant (Goicoechea, Laura; Losada, Pablo; Mascareñas, José Luis; Gulías, Moisés)
Angew. Chem. Int. Ed. 2025, 64 (20), e202425512.
URL (Doi): 10.1002/anie.202425512

炭素－水素結合切断に関する論文のようです。

May 2, 2023

[読みたい論文] 置換ベンゼンのオルト位の炭素－水素結合を切断してボリル基をくっつけます
ふつうはどこなんだろ。
Angew. Chem. Int. Ed. 2023, 62 (18), e202214510.

パラジウム/光学活性アミノ酸誘導体触媒下でのアレーンと有機ボロン酸エステルの反応。Suzuki–Miyauraカップリングに似ていますが、酸化的付加によるアリールパラジウム種の発生法ではないことに注目。アリールパラジウムは親電子置換経由で。

論文の反応のセールスポイントのひとつが、エナンチオ選択的なアレーンのアリール化。ビアリール化合物を出発とし、ビアリールの2–位（より正確には2'–位）の芳香環炭素にアリール基が結合することでビアリールのアリール－アリール結合の回転が阻害され、不斉軸が発現するというカラクリと勝手に思っていました。Supporting Informationを読むとどうやらそれだけではなさそうで、ビナフチル化合物のような鏡像体のラセミ混合物の速度論的光学分割についても検討されていそう。というかそっちだけなのかもしれない。

そしてもうひとつのセールスポイントが空気を酸化剤として使えることについても。反応にジメチルスルホキシドが使われているのが気になります。こいつがパラジウムの再酸化に寄与している可能性、ですね、論文のタイトルをもう一度見て、これでええんか？となりました。

というわけで色々確かめたくて、読みたい論文に追加した次第です。Supporting Informationを見ようとしたらCPUの使用率がえらいことに。

この記事を書いた人

「牧岡ふうふ堂」オーナー。博士(工学)。
酒都圏在住。
今はその名ではない、某地方の国立系工業大学でアシスタントをしていました。専門は有機反応・金属錯体(主に希土類)・π共役系。
Xアカウントは@makiokafufudo(お仕事用)、@ymakioka(個人用)です。

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