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Keywords: N-heterocyclic carbene; asymmetric synthesis; er; oxidation; DBU; DTBQ; Biju, Akkattu T.
Enantioselective Synthesis of C−O Axially Chiral Diaryl Ethers by NHC-Catalyzed Atroposelective Desymmetrization (Shee, Sayan; Ranganathappa, Sowmya Shree; Gadhave, Mahesh S.; Gogoi, Romin; Biju, Akkattu T.)
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同じベンゼン環に2つのホルミル基が結合したジアリールエーテルとフェノール化合物と酸化剤の反応。
N–ヘテロ環カルベン触媒下で進み、エステル結合ができるのは既知。この論文の反応では、2つのホルミル基の片方のみが反応すること、形成されたエステル結合周りが嵩高くてエーテル結合の酸素-炭素結合の回転ができなくなってキラリティが出てくること、光学活性N–ヘテロ環カルベン触媒のおかげで片方の鏡像体が選択的に生成すること、これらがセールスポイントのようです。
そんなにうまいこといくのかとSupporting Informationで情報を拾おうとしました。片方のホルミル基だけが反応するように、基質のモル比がすごいことになっているのではと余計な心配をしましたが、5:4とかでも十分で、むしろ片方のみの反応が選択的なのではと思えるくらい。酸化剤は2,6-ジ-tert-ブチル-1,4-ベンゾキノンで合ってるのかな。
あの構造のカルベン触媒で反応のエナンチオ選択性の高さが出るのはすごいと思いました。一方でビフェニルエーテルの結合回転があの程度の置換基の大きさで止められるのも。どこまで小さくできるのか、熱加えるとエピマー化するのか、色々気になりました。
そんなわけで色々知りたく、読みたい論文に追加しました。
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