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[読みたい論文] 遷移金属不要。ヒドロアミノ化が位置選択的に起きます。

Viewed: 07:36:19 in July 4, 2025

Posted: April 5, 2022

Keywords: hydroamination; transition metal free; Tf2NH; HFIP; DCM; Chatterjee, Indranil; 有機化学; ブログ

Transition-Metal-Free Regioselective Intermolecular Hydroamination of Conjugated 1,3-Dienes with Heterocyclic Amines (Pradhan, Suman; Das, Sampurna; Kumar, Gautam; Chatterjee, Indranil)
Org. Lett. 2022, 24 (12), 2452–2456.
URL (Doi): 10.1021/acs.orglett.2c00810

 


ヒドロアミノ化に関する論文のようです。

[読みたい論文] 開放系で進むアルケンのヒドロアミノ化
アルカリ金属触媒下で。
Angew. Chem. Int. Ed. 2020, 59 (43), 19021−19026.

 

ジエン、そしてちょっと特殊かもしれないアミンとの反応。遷移金属を必要としないのがセールスポイントの一つのようです。使用される触媒はTf2NH。プロトン酸として働きます。強力な電子求引基であるTfが2つ窒素原子にくっついてるので、ですね。

ジエンとアミンのヒドロアミノ化、ジエンの方だけ注目しても、炭素-窒素結合や炭素-炭素二重結合の位置の組み合わせから考えるに、可能性のある生成物の種類が多そうです。位置異性体に加え幾何異性体も含めるともう大変。なのに1種類の異性体が選択的に得られるのはなんでなんかいなということで、読みたい論文に追加しました。


反応機構、まずはジエンのプロトン化によるあアリルカチオン種の発生と引き続くアミン(なのか?)の反応、窒素原子からの脱プロトンという流れなのでしょう。アリルカチオンの安定性が反応の位置選択性を決めている気が。そうなるとこの反応、基質の性質に依存するだけの可能性もあり、これセールスポイントなんかと。その辺りどうなんかと本文読んで確認したいところ。

アミン側の位置選択性とか。Friedel–Crafts型反応は起きたりしない?

April 5, 2022
ヒバリとヒヨドリを激写!
最高の出来です。

 

この記事を書いた人

「牧岡ふうふ堂」オーナー。博士(工学)。
酒都圏在住。
某地方の国立系工業大学でアシスタントをしていました。 専門は有機反応・金属錯体(主に希土類)・π共役系。
twitterアカウントは@makiokafufudo(お仕事用)、@ymakioka(個人用)です。

 

 

 

計算終わりました

CAS-RN: 6303-21-5
Chemical formula: H3PO2
Molecular weight: 66.00
HOMO (eV): –7.773
LUMO (eV): +0.811
Dipole moment (D): 2.623937
 

読みたい論文シリーズ− 2022年2Q
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April 4, 2022
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April 1, 2022
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