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Keywords: ring expansion; carbon–carbon bond formation; LiHMDS; Ts; Werz, Daniel B.
Ring-Enlargement of in Situ Generated Cyclopropanones by the Reaction with Sulfonium Ylides: One-Pot Synthesis of Cyclobutanones (Lange, Marvin; Werz, Daniel B.)
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リチウムアミド塩基が引き起こす、p–トルエンスルホニル基が結合したシクロプロパノールとシンナミルスルホニウム塩の反応。シクロプロパノールの3つの炭素原子とシンナミルスルホニウム塩のベンゼン環に結合した炭素からなる4員環構造ができ、シクロブタノン化合物が生成します。形式的にはシンナミルスルホニウム塩がカルベンと見ることができる、メカニズムを想像しずらい反応。
反応に使われているシクロプロパノール化合物、系中でシクロプロパノンになるとのことで(Brook転位みたいなやつ?)、そいつへの塩基により水素原子を引き抜かれたシンナミルスルホニウム塩由来の炭素陰イオンの求核攻撃により炭素-炭素結合が形成その後転位やらなんやかんやでシクロブタノンになるのでしょう。Supporting Informationには下の構造の反応中間体が描かれていました(ネタばらしはしたくない)。水素があっちゃこっちゃに動いて大変だなあというのがパッと見た感想。
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ところでSupporting Informationに載っている1H NMRスペクトル、13C NMR並にスペクトルがシャープ。これ、取り込んだFIDをフーリエ変換するときのパラメータ次第でこんなふうになるのでしょうが、ええんかな。
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