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[読みたい論文] テトラヒドロフラン溶媒中でテトラヒドロフラン環を作ります

Viewed: 01:19:06 in June 26, 2025

Posted: January 31, 2025

読みたい論文シリーズ− 2025年1Q
読みたいけと読んでいない論文を、構造式を描きながら紹介します。読んでないので時々間違えます(2025年1〜3月)。

 

Keywords: annulation; Burgess reagent; TBS; dehydration; Silverman, Richard B.

Synthesis of Oxabicyclo[3.2.1]octan-3-ol Scaffold via Burgess Reagent Mediated Cyclodehydration of δ-Diols under Acidic Conditions (Elmansy, Mohamed F.; dos Remedios, Jose Ricardo D.; Silverman, Richard B.)
Org. Lett. 2025, 27 (2), 640–644
URL (Doi): 10.1021/acs.orglett.4c04473

 


縮合反応に関する論文のようです。

February 17, 2022
[読みたい論文] 縮合剤にトリメトキシメチルシランを使ってカルボン酸とアミンからアミドを合成します
後処理の容易さ。
Org. Lett. 2022, 24 (5), 1175–1179.

 

Burgess試薬を使用するシリル基で片方を保護されたγ–ジオールの縮合。ジオールの縮合によりテトラヒドロフラン骨格が形成されるわけですが、基質の分子構造中にシクロヘキサン骨格があるので、7員環もできます。

この反応、一体何が起きているのかとしばらく悩みました。Graphical Abstractに描かれている基質には立体構造に関する情報はなく、要旨テキストを見ても反応の立体選択性に関する記述はなし。Supporting Informationにある基質の構造式などを見ても、ジアステレオマー混合物だったりで、何がなんやらです。

要はTBDMSO基が結合している炭素に関して、反応前と反応後では立体が保持(というか炭素-酸素結合が切断されない)なのか反転なのかで、その酸素原子は元々どこにあったのかと。基質のOH基とBurgess試薬から発生するのはアルコキシドなのかカルボカチオンなのか、基質に対してBurgess試薬は酸として反応するのか塩基なのか。

そんなわけで反応の過程で何が起きているのか知りたくて、読みたい論文に追加しました。金曜日の記事に「わけがわからん」が目立つのは偶然です。

↓描いたけど違うかもしれないのでボツ扱い(TBS基が嵩高いから多分無理)。


この記事を書いた人

「牧岡ふうふ堂」オーナー。博士(工学)。
酒都圏在住。
今はその名ではない、某地方の国立系工業大学でアシスタントをしていました。 専門は有機反応・金属錯体(主に希土類)・π共役系。
Xアカウントは@makiokafufudo(お仕事用)、@ymakioka(個人用)です。

 

 

 

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