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Keywords: Cu; carbon–carbon bond formation; three-component coupling; Marek, Ilan
Copper-Catalyzed Carbomagnesiation of 1-Halocyclopropenes (Weissbrod, Tal; Asraf, Alin; Marek, Ilan)
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ヨウ化銅触媒下でのハロシクロプロペンと有機マグネシウム化合物の反応で、その後求電子剤による処理も行われています。反応は位置及び立体的に進み、ハロゲンが結合していない方のアルケン炭素に有機マグネシウム化合物由来の有機基が、結合している側には求電子剤が結合した分子構造の化合物が生成しています。エステル基が有機マグネシウムとよく反応しないものだと思いましたが、反応温度が低いのですね。
やはり気になるのは反応の立体選択性。シクロプロパン骨格に対して、有機マグネシウム由来の有機基と求電子剤が同じ側にある構造の化合物が生成するのですが、求電子剤と反応する直前の中間体の構造はどのようなものなのでしょうか。有機マグネシウムとの反応直後のハロゲンが結合しているシクロプロパン炭素には、マグネシウムが結合していると想像しますが、有機基と同じ側にあるのか、反対にあるのか、ですね。つまり銅触媒下での有機マグネシウムとの反応はcis付加で求電子剤の反応が立体保持なのか、trans付加と立体反転の組み合わせなのか。この辺りは本文中にあるであろう、著者さんたちのコメントを見たいところです。
論文の反応のセールスポイントの一つである、ハロ基が残るの、低温だからなのかシクロプロパン骨格故なのか、そこらへんも知りたいですね。そんなわけで、読みたい論文に追加しました。
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