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Keywords: TMSCN; HBPin; hydroboration; carbon–carbon bond formation; transition metal free; Sau, Abhijit; Panda, Tarun K.
Facile access to trifluoromethyl propargyl alcohol by metal-free transfer hydrogenation and cyanation of alkynyl ketones (Kisan, Devadkar Ajitrao; Paul, Ishita; Dey, Soumyadip; Sau, Abhijit; Panda, Tarun K.)
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アルキニルトリフルオロメチルケトンとトリメチルシリルシアニド又はピナコールボランの反応。トリフルオロメチル基を持つプロパルギルアルコールが生成します。反応に金属触媒が不要であることが、この論文の反応のセールスポイントのようです。
Graphical Abstractを見ると反応にシリカが必要&反応溶媒がメタノールでありそうなイメージがあり、私もそう思って上の反応スキームを描いたのですが、Supporting Informationを見て驚きました。なんとこの反応、2段階。まず無溶媒でのアルキニルトリフルオロメチルケトンと求核剤の反応、その後シリカとメタノールというもの。後から反応スキームを見直すと…確かに両ステップに反応温度と時間が。すんません。
反応の様相をきちんと理解した上で気になったのがシリカの役割。前半の反応で生成したシリルエーテルやボリルエーテルを分解してターゲットのアルコールにするためと直感的には思われますが、反応後の後処理、具体的にはカラムクロマトグラフィでの生成物の単離のことも想定してなのかも。使われるシリカやメタノールの量がわからないことにはどうにも。
そしてもうひとつ。この反応、この基質に限らず無溶媒なら無触媒でいけるのではと。だとするとセールスポイントがわからなくなります。というわけで、この論文、どう理解すればいいのかわからないので、読みたい論文に追加しました。わからないから、読みたい。
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