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Keywords: fXs; nucleophilic aromatic substitution; dodecanethiol; DBU; Yokoshima, Satoshi
Fluorinated 2,6-Xylenesulfonyl Group: A Protective Group for Amines (Katayama, Yuki; Watanabe, Kenta; Nishiyama, Yoshitake; Yokoshima, Satoshi)
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アミンの保護基にはいろいろありますが、スルホニル基の代表といえばp–トルエンスルホニル基(トシル基,Ts)。トシル基で保護されたアミン(スルホン酸アミド)は個人的にもよく扱いましたが結構頑丈で、脱保護はしんどかった記憶が。安定だけど外しやすい、そんなスルホン酸アミド系保護基があればと開発されたのが、この論文の物であると勝手に想像しています。
この論文の保護基、fXs基、ベンゼン環の2つのオルト位の炭素にトリフルオロメチル基が結合した芳香環を含むスルホニル基。スルホニル基を含めれば3つの電子吸引基がベンゼン環に結合しているのが特徴。この保護基が結合したスルホン酸アミドをドデカンチオールで処理するとアミンが放出されるのだとか。
論文の反応ではドデカンチオールが使われているの、おそらくこれに限定されず他のチオールでもいいのでしょう。ただ、低分子量のチオールはとにかく臭い。匂わないチオールとして、ドデカンチオールがと思っていますが、実際のところは本文で確認したいところ。
気になるのは脱保護のメカニズム。Graphical Abstractにあるようにアリールスルフィドがアミンと共に生成しており、芳香族求核置換が起きている可能性があります。そうであれば一般的なスルホン酸アミドの脱保護とは異なる機構ということになるので、詳細を知りたく、読みたい論文に追加しました。
芳香族求核置換で脱保護というコンセプトでいろいろ展開できそう。
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