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[読みたい論文] 副反応を気にしなくて良いピナコールカップリング

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Posted: March 4, 2019

[J. Am. Chem. Soc. 2019, 141 (8), 3664−3669] Reductive Coupling between Aromatic Aldehydes and Ketones or Imines by Copper Catalysis (Takeda, Mitsutaka; Mitsui, Atsuhisa; Nagao, Kazunori; Ohmiya, Hirohisa)

Keywords: Cu; NHC; BPin; PhMe2SiBPin; Ohmiya, Hirohisa

銅触媒下でのケトンとアルデヒドのピナコールカップリングについて報告しているようです。ケトンの代わりにイミンを使うことによってアミノアルコールを合成することもできるのだとか。このテの反応は還元剤を必要とするのですがどれかなあとしばらく考えましたが、この記事の表題の化合物がそれでした。


このピナコールカップリング、ホモカップリング物の副生をうまく抑えたのが売りのようです。ホモカップリングの他、アルドール縮合も、ですね。


反応機構について詳しく知りたいので、読みたい論文に追加です。鍵となる反応中間体は下のようなもののようです。アルデヒドに対し優先的に(or アルデヒドに対してのみ)反応して、ケトンと反応していく、ということでしょうか。


この記事を書いた人

「牧岡ふうふ堂」オーナー。博士(工学)。
酒都圏在住。
某地方の国立系工業大学でアシスタントをしていました。 専門は有機反応・金属錯体(主に希土類)・π共役系。
twitterアカウントは@makiokafufudo(お仕事用)、@ymakioka(個人用)です。

 

 

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