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[読みたい論文] ホウ素とホウ素でアレンとケトンから光学活性ホモアリルアルコール

Viewed: 21:47:08 in June 25, 2025

Posted: September 15, 2022

Keywords: 9-BBN; Bpin; asymmetric synthesis; carbon–carbon bond formation; Lewis acid; d.r.; e.r.; hydroboration; Thomas, Stephen P.; 有機化学; ブログ

Boron-Catalyzed, Diastereo- and Enantioselective Allylation of Ketones with Allenes (Nicholson, Kieran; Peng, Yuxuan; Llopis, Natalia; Willcox, Dominic R.; Nichol, Gary S.; Langer, Thomas; Baeza, Alejandro; Thomas, Stephen P.)
ACS Catal. 2022, 12 (17), 10887–10893.
URL (Doi): 10.1021/acscatal.2c03158

 


タイトルがアレですが、カルボニル化合物とアレンの立体選択的反応に関する論文のようです。サブタイトルについては後述。

June 18, 2020
[読みたい論文] ヒドロホウ素化: おまわりさんこいつです
真の触媒はこいつだった。
Org. Lett. 2020, 22 (11), 4107−4112.

 

カルボニル化合物とアレンの炭素-炭素結合てそんなに簡単なものではなさそうですが、この論文の反応はいとも簡単に、しかもジアステレオ及びエナンチオ選択的に進みます。そのカラクリはピナコールボランの使用で、アレンとピナコールボランからアリルボランが生成。アリルボランとカルボニル化合物の反応は適当なルイス酸触媒下で進むわけで、要は2つの既知の反応を組み合わせた、ということなのでしょう。


一般にアリルボランとカルボニル化合物の反応は位置及びジアステレオ選択的に進み、あとはエナンチオ選択性。これは光学活性ルイス酸触媒を使えばいけるということで、(S)–BBD-OMeが採用された模様。

反応の様相は大体わかったので、反応機構の詳細を知りたく、後で本文を読みたいと思います。

ホウ素触媒を使い、ヒドロホウ素化経由で。ホウ素とホウ素。

September 15, 2022
シソの花咲く
食べました。

 

 

読みたい論文シリーズ− 2022年3Q
読みたいけと読んでいない論文を、構造式を描きながら紹介します(2022年7〜9月)。

2022年3Qの記事一覧
お仕事関係の記事のリストです(2022年7〜9月)。

 

この記事を書いた人

「牧岡ふうふ堂」オーナー。博士(工学)。
酒都圏在住。
某地方の国立系工業大学でアシスタントをしていました。 専門は有機反応・金属錯体(主に希土類)・π共役系。
twitterアカウントは@makiokafufudo(お仕事用)、@ymakioka(個人用)です。

 

 

 

計算終わりました

CAS-RN: 619-72-7
Chemical formula: C7H4N2O2
Molecular weight: 148.12
HOMO (eV): –8.002
LUMO (eV): –3.074
Dipole moment (D): 0.127112
 

September 14, 2022
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どこかで見た水素移動。
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