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Keywords: I; benzyne; MTBE; LiHMDS; tBuONa; annulation; BF3•OEt2; Stuart, David R.
Oxidative Cycloaddition Reactions of Arylboron Reagents via a One-pot Formal Dehydroboration Sequence (Karandikar, Shubhendu S.; Metze, Bryan E.; Roberts, Riley A.; Stuart, David R.)
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アリールボロン酸塩とアリールヨードニウム塩からジアリールヨードニウム塩を作り、これを塩基で処理することによりアラインを発生させるというもの。適当な補足剤を共存させておけば環化付加体ができる模様。
ジアリールヨードニウム塩からアラインを発生させる方法はこれまでにも報告されており、ポスドク時代に実験台の隣のスペースのところで学生さんがその研究をしてたのを憶えています(この記事を書いているちょっと前に試薬会社さんが反応例をWebに載せてました)。なのでそれほど目新しい反応では無いとは思いますが、アリールボロン酸塩を使って特定の場所のアリール炭素とヨウ素の間に結合を作ることができるのは合成化学的にも意義がある。そこにこの論文のセールスポイントがあるのでしょう。
この論文ではアラインはジアリールヨードニウム塩のベンゼン環の水素を塩基で引き抜いて発生させています。「ジアリール」なのでどちらかのアリール基からアラインを発生できるよう、ベンゼン環のオルト位がメチル化されたアリールヨードニウム塩が使われています。それでももう片方のアリール基にはオルト炭素が2つあるわけで、そこの水素引き抜きの選択性がどうなっているのか、気になるところではあります。もしかしたらジアリールヨードニウム塩由来のアリール基の嵩高さがうまいことやてくれているのかもしれません。
そんなわけで、選択性に関する反応の制御がうまくいっているのか知りたく、読みたい論文に追加しました。
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