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Keywords: BN-aromatics; MOST; Ag; TBS; Mes; Lewis acid; Bettinger, Holger F.; Fleischer, Ivana
Facile Energy Release from Substituted Dewar Isomers of 1,2-Dihydro-1,2-Azaborinines Catalyzed by Coinage Metal Lewis Acids (Richter, Robert C.; Biebl, Sonja M.; Einholz, Ralf; Walz, Johannes; Maichle-Mössmer, Cäcilia; Ströbele, Markus; Bettinger, Holger F.; Fleischer, Ivana)
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1,2–ジヒドロ–1,2–アザボリニンの光異性化によって生じる2–アザ–3–ボラシクロ[2.2.0]ヘキサ–5-エンの、銀触媒下での逆反応…と書くとわけわかりませんが、
シンプルに書くと、有機化学の教科書によくあるベンゼンの構造異性体であるDewarベンゼン(シクロ[2.2.0]ヘキサ–5-エン)の、ホウ素と窒素が入ってる版です。上の反応スキームにあるように、左側の6員環構造の化合物が光異性化で右側の構造のものになることにより光エネルギーが分子構造の歪みエネルギーとして貯蔵される。その逆反応を起こす方法が見つかったというのが、この論文の主旨なのでしょう。
光反応により蓄えられたエネルギーを取り出す云々と書かれてはいますが、この論文ではあくまでもコンセプトとしてそうであるだけで、この論文の系でそれが実用化できるわけではないという当たり前の話はさておき、エネルギーの取り出し方としてどうなんと思うところはあります。リリースされるのは熱エネルギー。電気エネルギーなどの、もっと使い道のある方法はないものか、というか電気エネルギーとして取り出すにはどうしたらいいのかと。
そんなわけでこの現象をどう応用すれば世の中に大きく役立つのか、本文に何かヒントがないかと思い、読みたい論文に追加しました。
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