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Keywords: carbon-carbon bond cleavage; PIFA; Mosey, R. Adam
Constructing new bonds to carbon in dihydroquinazolines via hypervalent iodine(III)-mediated C(sp3)–C(sp3) bond functionalization (Carlson, Haley M.; Marshall, Abigail R.; Burton, Kaylin M.; Mosey, R. Adam)
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ヨードニウム塩が介する、ええっとなんだこれジヒドロキナゾリン、上の反応スキームの左側の構造式の化合物と求核剤の反応。反応に使われる溶媒は求核剤の種類により異なるようで、Supporting Informaitonを見るとアセトニトリルや1,2–ジクロロエタンやトルエン、1,1,1,3,3,3–ヘキサフルオロ–2–プロパノールなど。分子中のtert–ブチル基が求核剤と入れ替わった構造の化合物が生成するとのこと。形式的になのでしょうが、アルキル基が脱離基として振る舞う置換反応、すごいなと思いましたが、例自体はすでに報告されているようで。
んで反応のカラクリはというと、容姿テキストに"mesolytic cleavage"とあるように、反応の過程で炭素-炭素結合開裂によりラジカル種とイオン種が発生。恐らくは前者がtert–ブチルラジカル、後者がヒドロキナゾリルカチオンなのでしょう。ヨードニウム塩(= 3価ヨウ素化合物)が酸化剤として機能している、と。確かにちょうどいい位置にtert–ブチル基がありますね。ベンジルカチオンとかイミニウムイオンとか。
炭素-ヨウ素結合の形成が一旦起こるのかを知るには、著者さんたちのコメントを読む必要がありそう。
気になるのはtert–ブチル基の成れの果て。一体どんな姿なのか、単純に興味があるので、読みたい論文に追加しました。
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