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[読みたい論文] 不斉ニトロアルドール反応: あれから23年

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Posted: April 6, 2016
WordPressの記事をアーカイブ化したものです。

この記事を書いた人

「牧岡ふうふ堂」オーナー。博士(工学)。
酒都圏在住。
某地方の国立系工業大学でアシスタントをしていました。 専門は有機反応・金属錯体(主に希土類)・π共役系。
twitterアカウントは@makiokafufudo(お仕事用)、@ymakioka(個人用)です。

 

 

当時院生だった私、JACS見たときはびっくらこいた

[Tetrahedron Lett. 2016, 57 (16), 1815−1819]

Preparation of Nd/Na heterogeneous catalyst from bench-stable and inexpensive Nd salt for an anti-selective catalytic asymmetric nitroaldol reaction (Nonoyama, Akihito; Hashimoto, Kazuki; Saito, Akira; Kumagai, Naoya; Shibasaki, Masakatsu)

Web: http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0040403916302635

Graphical Abstractお借りしますね。

柴崎先生の不斉ニトロアルドール反応。

当時、ランタノイド触媒使う不斉向山アルドール反応を追いかけてたんです。

柴崎研の当時のスタッフ-私の恩師-私のルートで聞いたのが

 

ランタノイドはズルズルパンツ

これですよ。いやホント、全くその通りでして。

ランタノイド、イオン半径は大きいし、配位数も12とか楽々取っちゃうので、不斉場の構築が大変だったんです。この問題をうまく解決したのが柴崎研究室の方々。

ランタノイドとアルカリ金属を組み合わせた不斉反応は、1993年のJACSでの登場以来、23年間ずっと報告され続けています。

もちろん、読みたい論文に追加です

 

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