[読みたい論文] Brønsted塩基触媒下でのアルキンのジホスフィン化
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Posted: June 6, 2017
WordPressの記事をアーカイブ化したものです。
「牧岡ふうふ堂」オーナー。博士(工学)。
酒都圏在住。
某地方の国立系工業大学でアシスタントをしていました。
専門は有機反応・金属錯体(主に希土類)・π共役系。
twitterアカウントは@makiokafufudo(お仕事用)、@ymakioka(個人用)です。
遷移金属触媒を使うケースとは違うんだと思います。
[
Org. Lett. 2017,
19 (11), 2973−2976]
Brønsted Base Mediated Stereoselective Diphosphination of Terminal Alkynes with Diphosphanes (Okugawa, Yuto; Hirano, Koji; Miura, Masahiro)
Web:
10.1021/acs.orglett.7b01209
Graphical Abstractお借りしますね。
末端アルキンのジホスフィン化。ジホスフィンを使います。硫黄で処理しているのは、生成物をスフフィドにして単離しやすくするためだと思います。
GAには
t-BuOLiが書かれていますが、金属アミド(MNTMS
2, M=Li or Na)でも良いそうです。脂肪族アルキンの場合には金属アミドを使う方が良いとGAには書かれています。これはアルキンの末端水素の引き抜かれやすさ(要はアルキンのpKa)と関係あるのかと。脂肪族アルキンの方がpKa値が大きいですからね。
反応機構は、d-ブロック遷移金属触媒の場合とは異なるんだと思います。酸化的付加や挿入、還元的脱離を繰り返すものではなく、単純な酸塩基反応が組み合わさったものではないかと、論文を読む前の時点では想像しています。σ結合メタセシスとはちょっと違うかな、反応の位置選択性を知らないからなんとも言えませんが。
反応機構が気になるので、読みたい論文に追加です。
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