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Michael reaction (MR)
 

 

- 反応場どうなっとるん。 -

(February 15, 2023)

Keywords: Mukaiyama aldol addition; Michael addition; TBS; carbon–carbon bond formation; asymmetric synthesis; ee; BINOL; hetero Diels-Alder; cycloaddition; Antilla, Jon C.

Enantioselective Mukaiyama–Michael Reaction of β,γ-Unsaturated α-Keto Esters with Silyl Ketene Acetals Catalyzed by a Chiral Magnesium Phosphate (He, Hualing; Shen, Xizhe; Ding, Xinying; Antilla, Jon C.)
Org. Lett. 2023, 25 (5), 782–787.
URL (Doi): 10.1021/acs.orglett.2c04277

 


不斉Michael付加に関する論文のようです。

February 14, 2022
[読みたい論文] C2対称の窒素系不斉配位子を作りました
ビピリジン・アダマンタン骨格入り。
Org. Lett. 2022, 24 (4), 1116–1120.

 

Michael受容体であるβ,γ–不飽和–α–ケトエステルと、求核剤のカルボン酸エステル由来のシリルエノラートのMukaiyama型反応。反応そのもの、そして反応のエナンチオ選択性を実現するために、光学活性触媒が求められる。その触媒のひとつがこの論文にあるリン酸BINOL–マグネシウムということなのでしょう。

論文のタイトルはMichael付加ですが、要旨テキストにはヘテロDiels–Alder型反応とあり、反応が[4+2]環化付加で進行している可能性「も」あるのだとか。Michael付加でも[4+2]環化付加でもマグネシウム触媒が介在していることは間違いなく、マグネシウム周りの反応場がどうなっているのか気になるところです。マグネシウムが6配位状態を取れるのであれば難しく考えることはないのですが、取れる最大の配位数が4までとなるとリン酸の酸素原子(P=Oのところ)がマグネシウムから離れる必要があるかなと。それって簡単なことなのか、ですね。


もうひとつ気になるのがシリルエノラート由来のシリル基のやり取り。[4+2]環化付加であればあれこれ考えなくてもいい一方、Michael付加であればあの嵩高いTBS基を酸素原子からどう切り離すのか。

そんなわけで、反応機構を知りたく、読みたい論文に追加しました。R2とエナンチオ選択性の関係も。

 

読みたい論文シリーズ− 2023年1Q
読みたいけと読んでいない論文を、構造式を描きながら紹介します(2023年1〜3月)。

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