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小数と小数の足し算とかで、答えが整数になった時のぴったり感て、気持ちいいですよね。
何を習ったかを思い出せ。
「3.9+5.1=9.0」は減点対象 小学校算数の奇習に茂木健一郎が苦言“子どもたちへの虐待である”
あるTwitterユーザーが投稿した「“3.9+5.1”の計算に対して“9.0”と書いた答案が減点されていた」という話。
この記事に関するコメントには、「有効数字が〜」とか「こんな教育だめだろ」なのかがたくさんありました。
んでも、思い出してみてくださいよ、中学校に入ってから学んだ数学のハシリを。有効数字の話が出てきたあたり。
「有理数」「無理数」て習いませんでしたか?
無理数は、有理数ではない実数。
それをふまえて、件の小学校の算数の問題を見てください。
3.1 + 5.9 = ?
もう一度言いますね。小学校の算数の問題です。
有理数ですよ。それぞれ、31/10と59/10です。
3.1も5.9も有理数なので、これらの和も当然有理数です。
有理数なので誤差の概念などあるはずもないですから、9も9.0も等しいです。従って、極力シンプルに表記された”9″が正解です。わざわざ”.0″をつける必要などありませんし、シンプルに書かなきゃいけない掟もあります(IUPACの数学版みたいなのがある…はず)。第一この答は整数ですよ、整数なのは明確なのに、なんで少数を扱う必要があるのかと。
また、”9.0″では後述する矛盾のリスクがあります。
有効数字ガーな方々へ
近似値というのは、例えば、3.050000000000… から 3.149999999999… の間にあるある無理数を、3.1として表現したりするわけですが、高学年ならまだしも、小学校低学年でのの足し算の習得のためにこういう概念を併せて取り扱うの、意味があるはずがありません。
ここで話が逸れますが、有効数字云々というなら、算数や数学の計算で出てくる、一桁の整数はどうなんだという話になります。
三角形の面積の公式を思い出してください。
(底辺の長さ × 高さ) ÷ 2
“2”ですよ。有効数字1桁。底辺の長さや高さの精度が高くても三角形の面積の精度が“2”のせいで低くなる…そんなはずはないでしょう。
“2”は有理数です。だからこそ、“2”の有効数字を考えなくてもいいんです。
話を戻します。
3.1 と 5.9 を有効数字、すなわち無理数の近似値として扱うのであれば、3.1 + 5.9 = 9.0 が正解であり、9では不正解です。
しかし、件の小学校の足し算の問題の”数”が有理数である限り、その答も有理数であるので、無理数の近似値の表記法でもある”9.0″では、矛盾が生じるんです。
有理数と有理数の和が無理数になること、ありえないでしょう。
その計算結果は整数?小数?他の計算方法との整合性は?
9.0は小数の表記なんです。
ところで、3.1 + 5.9 の答えを出す別の方法として、それぞれ分数にするやり方がありますよね。つまり、
31/10 + 50/10
です。足した直後の数は、90/10ですよね。これ、さらに計算すると9ですよね。整数。あれ?となりますよね。
思い出しましょう。「9.0と9は同じ数で、9は整数だから、.0は消しましょうね。」と習いませんでしたか?
大事なことなのでもう一度言いますが、吹き上がる前に、学校で何を習ったのか、思い出しましょう。「ミイラ盗りがミイラに」なんてことにならないように。
あと、先生と児童の間で何らかの約束がなされているのであれば、減点されても仕方ないでしょう。「9.0のままでは減点ですよ」等。約束不履行。
続報でました。そりゃ裁量でしょうね、学校側が決めることです。
3.9+5.1=9.0は減点対象……理由を文科省に聞いた 「減点は教員・学校の裁量次第」