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ケイ素-炭素結合て、案外切れやすいんですよね。
[Angew. Chem. Int. Ed. 2017, 56 (27), 7991−7994]
Selective Si−C(sp3) Bond Cleavage in (Aminomethyl)silanes by Carbanionic Nucleophiles and Its Stereochemical Course (Koller, Stephan G.; Bauer, Jonathan O.; Strohmann, Carsten)
Web: http://dx.doi.org/10.1002/anie.201702410
Graphical Abstractお借りしますね。
ヒドロシランと有機リチウムの反応でケイ素原子上の水素原子が有機基に置き換わるというのは1940年代あたりでも報告されているのを見かけますが、炭素−ケイ素結合については、どうでしょうか。ちょっと記憶がありません。フォローできていないのかもしれませんが。
ケイ素原子には「手が4本生えている」わけですから、ケイ素-炭素結合切断反応も、その選択性が重要になってくるわけです。
アミノメチル基と特定の置換メチル基がケイ素原子上に結合されたシランと有機リチウムを反応させると、特定の置換メチル基が脱離して有機基に置換される、というのが、この論文の売りというか、そういうもののようです。
有機リチウムのリチウム原子を窒素原子に配位させて反応を制御するのが鍵なんだろうと思います。
そして、この反応がケイ素中心に関して立体反転であることも、押さえておくべき。
気になるのがGA中のR’とR”。どんなものなんだろうと、Supporting Informationを見ました。両方メチル基、片方がメチル基でもう一方がフェニル基、両方がフェニル基、というパターンですね。
反応機構について知りたいですね。そんなわけで、、読みたい論文に追加です。