[読みたい論文] 光学活性アミンの絶対配置と光学純度をシッフ塩基にして決めます
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Posted: July 11, 2019
Predictive chirality sensing via Schiff base formation (Pilicer, Samantha L.; Mancinelli, Michele; Mazzanti, Andrea; Wolf, Christian)
Org. Biomol. Chem. 2019, 17 (27), 6699−6705.Keywords: Schiff base; circular dichroism; enantiomeric excess; Wolf, Christian
不斉中心を持つ光学活性アミンの絶対配置と光学純度の新規な決定法について報告している論文のようです。
光学活性アミンの絶対配置の決定方法には色々あって、最も確実な方法の一つに結晶化してX線解析するというのがあるのですが、この方法、アミンが液体だとまず無理なのです。なぜ無理かというと、アミン分子が色々な意味で動きまくるからです。色々な意味というのは、分子そのものが移動したり、分子中の単結合が回転したり、などなど。その対策、つまり、アミン分子そのものの動きを止めるために、アミンと何かを反応させて結晶化させる方法が取られてます。
この論文ですが、結晶化による絶対配置の決定のためにもですが、同時に光学活性絡みの何か他の測定法にもという一石二鳥も狙ったのが、この論文の趣旨のような気がします。その手法として、何かを反応させて分子構造を混み混みにしたった、ということなのでしょう。分子中の単結合の回転により取りうる配座を制限して、光物性が「きっちり」出るようにした、そしたら光学純度をCDスペクトルとかで決められるぞと。
目論見どおりの結果が出たのか知りたいので、読みたい論文に追加です。
p-ブロモベンズアミド化とか結晶化させるための反応は色々知られてるし、わざわざこんなことせんでもとは思いましたが、派生する何かがありそうな気もしますので。
「牧岡ふうふ堂」オーナー。博士(工学)。
酒都圏在住。
某地方の国立系工業大学でアシスタントをしていました。
専門は有機反応・金属錯体(主に希土類)・π共役系。
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Baudisch反応
[Doi 1]
Carroll転位
[Doi 1]
Cope転位
[Doi 1]
Kroll法Ramberg−Bäcklund反応
ノーベル化学賞
(該当者なし)
できごと
炭素14をMartin KamenとSam Rubenが発見
米国・科学者動員令1940
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