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[読みたい論文] 反応させるものが全てSO2化合物なフッ化スルホニル化合物合成

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Posted: December 20, 2019

Cyclic Alkenylsulfonyl Fluorides: Palladium‐Catalyzed Synthesis and Functionalization of Compact Multifunctional Reagents (Lou, Terry Shing‐Bong; Bagley, Scott W.; Willis, Michael C.)
Angew. Chem. Int. Ed. 2019, 58 (52), 18859−18863.

Keywords: Tf; DABSO; NFSI; Et3N; iPrOH; AcOEt; Pd; AmPhos; Willis, Michael C.; 読みたい論文シリーズ; 有機化学; ブログ


アルケニルトリフラートから2段階でアルケニルスルホン酸フルオリドを合成する方法に関するオープンアクセス論文です。ざっくり読んだ時点でこの記事を書いているので、詳細に間違いがあるかもしれませんがご容赦ください。

読めばわかるということで実験結果などをあれこれ挙げるのはやめときます。率直な感想は「SO2化合物ばかり使っとるな」。基質のアルケニルトリフラートにもDABSOにもNFSIにも、そして生成物にも含まれているSO2、偶然というか必然というか、それぞれの化学的性質は違うのでしょうが、よくもまあと。もちろん生成物のSO2はDABSO由来です。

他、基質がビフェニルトリフラートの場合、基質回収に終わっているのが清々しいですね。何でもかんでも反応していくのもいいですが、メリハリある反応にも、使い所が色々ありそうです。

得られたアルケニルスルホン酸フルオリドを他の化合物に変換する例が複数ありますが、まあそうだねと言うのが率直な感想です。でももしかしたら何かいい情報が隠れているかもしれないので、またじっくりと読もうと思います。

この記事を書いた人

「牧岡ふうふ堂」オーナー。博士(工学)。
酒都圏在住。
某地方の国立系工業大学でアシスタントをしていました。 専門は有機反応・金属錯体(主に希土類)・π共役系。
twitterアカウントは@makiokafufudo(お仕事用)、@ymakioka(個人用)です。

 

 

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ここの画像を使用しています。

久しぶりのシロクロ。

 

計算終わりました

 

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