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[読みたい論文] シアノ源が特徴的なアリール–シアノクロスカップリング

Viewed: 04:59:27 in July 16, 2025

Posted: December 12, 2019

Ni-Catalyzed Reductive Cyanation of Aryl Halides and Phenol Derivatives via Transnitrilation (Mills, L. Reginald; Graham, Joshua M.; Patel, Purvish; Rousseaux, Sophie A. L.)
J. Am. Chem. Soc. 2019, 141 (49), 19257−19262.

Keywords: MPMN; Ni; bpy; DMA; 読みたい論文シリーズ; 有機化学; ブログ


ニッケル触媒下でのアリールハライドなどのシアノ化について報告している論文のようです。シアノ源に特徴あり、です。Graphical Abstractではcat. Niとだけありますが、論文中の一般的な反応ではNiBr2(bpy)の水和物を使用している模様です。

この反応では亜鉛を基質に対して2倍使用しています。この亜鉛の役割とは何なのか、アリールハライドと亜鉛が反応してできるアリール亜鉛化合物とニッケルがアニオン/金属交換を起こすのか、それとも生成物が脱離した2価のニッケル種を亜鉛が0価に還元するのか、色々考えられるので論文本文に確認したいところです。それとNaBrの添加、これも何の為のものなのか。触媒サイクルを中心とする反応機構が必ず本文に書いてあると思うので、確認したく、読みたい論文に追加しました。

しかしこのシアノ源、アセトンシアノヒドリンMe2C(OH)CNとかと比べてどんな利点があるのだろう。

この記事を書いた人

「牧岡ふうふ堂」オーナー。博士(工学)。
酒都圏在住。
某地方の国立系工業大学でアシスタントをしていました。 専門は有機反応・金属錯体(主に希土類)・π共役系。
twitterアカウントは@makiokafufudo(お仕事用)、@ymakioka(個人用)です。

 

 

きょうのどうぶつ

ここの画像を使用しています。

寄りすぎサバトラちゃん。

 

計算終わりました

 

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