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西日本の某国立大学の教員さん経由で知った、はるか昔のけしからん話です。
化学系の、有機金属化合物を扱っていた研究室。大学院生さん(仮にAさんとしておきましょう)が、ターゲットの有機金属化合物を合成し、その構造を確認するために、再結晶、つまり、結晶を作ろうとしていたそうです。
すごくすごく大雑把にいえば、"分子"の構造を調べる準備をしていた、と。
構造を確認するためには、単結晶、つまり、綺麗な結晶を作る必要があったのです。しかもある程度大きいやつ。食塩水から食塩の結晶を作ったことがある人ならわかると思いますが、これがなかなか難しいのです。
で、学生さんは何度も何度も試行錯誤をして、Schlenk菅という小さなガラス器具の中で、ゆっくりゆっくりと結晶を成長させる支度を済ませ、週末の夜遅くに帰宅したのだとか。
週明けまでに大きな結晶ができていることを期待して…
綺麗な結晶を作るためには、ガラス器具に振動などの刺激を与えることは厳禁です。なので休日まえの週末の支度がが好都合というわけでして。
そして休日。
研究室にやってきたのは別の学生さんB。
結晶を育てているガラス器具を見つけたその学生さんB、スタスタと歩み寄り、ガラス器具を掴んでおもむろに
シェイク!
…ガラス器具の中の結晶はどうなってしまったのでしょうか。
その後のことは、わかりません。
追伸 画像のガラス器具の中身は結晶ではなく、蛍光剤を吸着させたシリカです(笑)。