[読みたい論文] 交換反応でボロン酸エステルをフリーのボロン酸にします
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Posted: May 17, 2019
Virtues of Volatility: A Facile Transesterification Approach to Boronic Acids (Hinkes, Stefan; Klein, Christian D. P.)
Org. Lett. 2019, 21 (9), 3048−3052. Keywords: methylboronic acid; deprotection; dichloromethane; trifluoroacetic acid; Klein, Christian D. P.
ボロン酸エステルの脱保護について報告しています。脱保護、つまり、エステル分解の方法が少し変わっていて、メチルボロン酸(ボロン酸エステルではない)を使います。広義のエステル交換反応のようなそうでないような。反応後にメチルボロン酸やその成れの果てを40℃で減圧留去すれば脱保護されたボロン酸が得られるというのが売りのようです。
ボロン酸だけで簡単に脱保護ができるものかねえとSupporting Informationを眺めました。トリフルオロ酢酸のジクロロメタン溶液中(場合によっては希塩酸/アセトン)で反応を行なっていますね。メチルボロン酸が基質に対して過剰量使われています。
ボロン酸ですが、脱水反応で酸無水物が生成することがしばしばあるので、そのあたりのところをどう回避しているのかなあと思いましたが、「仕上げ」に希塩酸水溶液を加えて水などを減圧留去し、残ったものを乾燥している模様。
Supporting Informationを眺めていて思ったのは、「含窒素化合物の例が多いな」というもの。なんでまたそんなものをと思ったので、読みたい論文に追加です。
ジボロンがかわいそうなことに。
「牧岡ふうふ堂」オーナー。博士(工学)。
酒都圏在住。
某地方の国立系工業大学でアシスタントをしていました。
専門は有機反応・金属錯体(主に希土類)・π共役系。
twitterアカウントは@makiokafufudo(お仕事用)、@ymakioka(個人用)です。
人名反応など
Bogerピリジン合成
[Doi 1]
Corey−Itsuno還元
[Doi 1]
Danheiser環化
[Doi 1]
Hiraoカップリング
[Doi 1]
Schöllkopf法
[Doi 1]
ノーベル化学賞
化学反応過程の理論的研究
(Kenichi Fukui, Roald Hoffmann)
できごと
スペースシャトル・コロンビアが初のスペースシャトルミッションで打ち上げ
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最初のAIDS患者発見例
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ちょっとかっこよくなった短足キジトラ。。
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