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[読みたい論文] マグネシウムでベンゼン環C−Hをヒドロキシル化します

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Posted: July 23, 2019

Aerobic C(sp2)−H Hydroxylations of 2-Aryloxazolines: Fast Access to Excited-State Intramolecular Proton Transfer (ESIPT)-Based Luminophores (Gübel, Dominik; Clamor, Nils; Lork, Enno; Nachtsheim, Boris J.)
Org. Lett. 2019, 21 (14), 5373−5377.

Keywords: Mg; TMP; ESIPT; Nachtsheim, Boris J.


マグネシウムアミドによるベンゼン環の水素原子引き抜きによる炭素−マグネシウム結合形成と、それに続く酸素との反応によるヒドロキシル基導入反応を中心に報告しているようです。生成物を光で励起すると分子内水素移動(ESIPT)が起こり特徴的な発光をすることも、書いてあるんだと思います。


↑ESIPTの右の構造、下のように書いた方がよりわかりやすいかも、ちょっと大袈裟な表現かもしれないけど。


で、反応なのですが、炭素−マグネシウム結合形成は酸−塩基反応だし、有機マグネシウムと酸素の反応は既知(途中過酸化物が生成)だしで、新鮮味はあまりないよな気がします。directing groupの支配下で位置選択的に反応するのがこの論文の売りとなるのでしょうか。それとも物性に何か面白いところがあるのでしょうけ。反応と光物性のどちらに重点が置かれた内容なのかを知りたいので、読みたい論文に追加です。

この記事を書いた人

「牧岡ふうふ堂」オーナー。博士(工学)。
酒都圏在住。
某地方の国立系工業大学でアシスタントをしていました。 専門は有機反応・金属錯体(主に希土類)・π共役系。
twitterアカウントは@makiokafufudo(お仕事用)、@ymakioka(個人用)です。

 

 

1947年はこんな年

人名反応など
Cook−Heilbronチアゾール合成 [Doi 1]
ノーベル化学賞
アルカロイドの研究
(Sir Robert Robinson)
できごと
贈与税新設
国際標準化機構(ISO)設立
国際通貨基金(IMF)操業開始
日本国憲法施行
最高裁判所発足
労働省発足
国家公務員法公布
公正取引委員会設置
学校給食開始
玉川大学開校
浦上糧食工業所(ハウス食品)設立
労働基準法公布・施行
日本教職員組合(日教組)結成
学校教育法施行(六三三学制)
新宝島(手塚治虫)出版。
「立春に卵が立つ」と話題に
東京ラグビー場(秩父宮ラグビー場)完成
利根川が決壊

 

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羽化したばかりのアゲハ。

 

計算終わりました

 

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