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学生の時にそう習ったんだけど、ほんまかいなと思い、GAMESSでDFT計算をして確かめることにしました。。
まずは初期構造のモデリング。座標データを吐き出して、パラメータを追加。
アセトン分子のGAMESS入力ファイル。構造の最適化のみで、振動解析はまだしません。
アセトン分子が3フッ化ホウ素分子に配位したやつの入力ファイル。
構造最適化して得られた、アセトン分子構造。振動解析(入力ファイルはこの記事の最後に)で、虚の振動数がないことは確認しています。
同じく、アセトン分子が3フッ化ホウ素分子に配位したやつの構造。カルボニル基の右隣の炭素に結合している酔語原子の位置が、アセトン分子そのもののと違うのは、3フッ化ホウ素の立体的は影響のせいでしょうか。
ここで、2つモデルのカルボニル基の違いを見ておきましょう。
項目: アセトン分子のもの; アセトン分子&3フッ化ホウ素分子のもの
C=O原子間距離 (Å): 1.216; 1.240
つまり、DFT計算上では、アセトン分子が3フッ化ホウ素分子に配位すると、C=O原子間距離が長くなる、結果としてC=O振動数 (赤外吸収の波数, 実測値よりも大きく算出されるのはおやくそく)も結合次数も低くなるということです。
そして、カルボニル基の電荷が小さく(電気的により陽性に)なるのですね。
次に、アセトン分子のπ軌道とπ*軌道。
同じく、アセトン分子が3フッ化ホウ素分子に配位したやつの軌道。
それぞれのエネルギー準位周りのデータは以下の通り。
項目: アセトン分子のもの; アセトン分子&3フッ化ホウ素分子のもの
確かに、配位することにより、πもπ*も、エネルギー準位が低くなっています。そして、π−π*の準位さも小さくなります。
というわけで、25年来の自分の中の疑問が自分なりに少しスッキリしました。
[おまけ] 振動解析のGAMESS入力ファイル
アセトン分子
アセトン分子が3フッ化ホウ素分子に配位したやつ