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benzyl (Bn)
 

 

- アミノアルコールにもっていける。 -

(December 16, 2022)

Keywords: annulation; TMSOTf; carbon–carbon bond formation; protecting group; Ts; p-Ns; Ms; Cbz; Bn; isoxazolidine; Gharpure, Santosh J.; 有機化学; ブログ

Leveraging Alkyne–Oximium Cyclization for the Stereoselective Synthesis of Isoxazolidine (Gharpure, Santosh J.; Pal, Juhi; Pansuriya, Kaushik C.)
Org. Lett. 2022, 24 (48), 8769–8773.
URL (Doi): 10.1021/acs.orglett.2c03483

 


立体選択的環化に関する論文のようです。

December 7, 2022
[読みたい論文] アクリルアミドからβ–ラクタムを作ります
炭素-水素結合切断を経る光環化。
Angew. Chem. Int. Ed. 2022, 61 (48), e202213086.

 

トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(TMSOTf)下での、プロパルギルオキシアミンとアルデヒドの反応。イソオキサゾリジンが生成します。基質に不斉中心がひとつで生成物には3つで、反応により2つの不斉中心が発生するわけですが、上に描いた構造のジアステレオマーだけが選択的に生成する模様。TMSOTfは触媒量ではなく過剰量使用されています。

反応の鍵となるのはプロパルギルオキシアミンとアルデヒドからできるイミニウムイオン中間体の分子内環化。ここで5員環から飛び出しているR1とRの位置関係が決まります。C(O)R2についてはどうなのかなと少し考えました。閉環のステップが親電子的な付加であると考えるとエノールかビニルエステルの加水分解でしょうか。後者だとTMSOTfがたくさん必要な理由もわかりますが、実際のところどうなのでしょう。その辺り、本文で確認したいところです。


そんなわけで、読みたい論文に追加しました。

生成物は水素化リチウムアルミニウムでアミノアルコールにできますね。Supporting Informationにもその旨書かれていました。

 

読みたい論文シリーズ− 2022年4Q
読みたいけと読んでいない論文を、構造式を描きながら紹介します(2022年10〜12月)。

2022年4Qの記事一覧
お仕事関係の記事のリストです(2022年10〜12月)。

 

(続きを読む)

 

[読みたい論文] ヨウ素-リチウム交換でベンジルリチウムを作ります
フロー系で発生。
Org. Lett. 2020, 22 (15), 5895−5899.
[読みたい論文] 位置選択的なプロパルギル化合物のヒドロボリル化
マンガン触媒下で進行します。
Org. Lett. 2020, 22 (10), 3765−3769.
[読みたい論文] リン原子に結合しているOH基をフッ素原子に置き換えます
温和な条件下でささっと完結。
Org. Lett. 2023, 25 (11), 1834–1838.
[読みたい論文] アミノ酸の縮合にトリアルコキシランをどぞ
ヒドロシランのヒドロじゃない方。
Org. Lett. 2022, 24 (39), 7194–7199.
[読みたい論文] 全置換シクロプロパンを立体選択的に作ります
愛と闘魂のグローブ。
Angew. Chem. Int. Ed. 2021, 60 (50), 26368−26372.
[今日描いた構造式] benzo[c]cinnoline
有機触媒: 臭化物と水からアルデヒドを得る反応。
[読みたい論文] 光学活性ヨウ素触媒でアルケンからアミノアルコールを作ります
ヨウ素といえば千葉。
J. Am. Chem. Soc. 2021, 143 (4), 1745−1751.
 
 
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上の化学平衡について、ΔG値からAとBの濃度比を計算します。
(※有効数字は考慮しません)
ΔG =
Temp = K
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