[今日描いた構造式] 3-(4-(trifluoromethyl)phenyl)pyridine

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Posted: January 8, 2019

[J. Am. Chem. Soc. 2018, 140 (51), 17851−17856] [2,2′-Bipyridin]-6(1H)-one, a Truly Cooperating Ligand in the Palladium-Mediated C−H Activation Step: Experimental Evidence in the Direct C-3 Arylation of Pyridine (Salamanca, Vanesa; Toledo, Alberto; Albéniz, Ana C.)

Pd触媒下でのC−H結合活性化を経るアリール−アリールカップリングに関する論文のようで、反応機構に重点が置かれてる模様です(というか想像しています)。C−C結合が形成されるステップで塩基は要らない、ここは6員環遷移状態を経る水素移動だと著者は言いたいようです。


Supporting Informationに目を通しました。要旨に記載の錯体の構造解析やヨウ化アリールとピリジンとの触媒的カップリング物の収率、反応の速度論的考察に関するデータが記されていますが、ここから論文の全体を想像するのは難しそうです。

要旨を見てまずおや?と思ったのが、論文のタイトルにもある、"C−3"、つまり、ピリジンの特定のC−H結合が活性化される理由です。理論計算の結果を読む限りでは、著者らはピリジンのパラジウムへのπ配位を反応経路中に提示していますが、正直、ほんまなんかなあと思っています。

そんなわけで、反応機構、特に位置選択の部分が兎にも角にも気になり、読みたい論文に追加です。アリールパラデーションからのβ−水素脱離じゃないのは何故なんだろう。

Keywords: 3-(4-(trifluoromethyl)phenyl)pyridine; pyridine; C-H bond activation

この記事を書いた人
「牧岡ふうふ堂」オーナー。博士(工学)。
酒都圏在住。
某地方の国立系工業大学でアシスタントをしていました。 専門は有機反応・金属錯体(主に希土類)・π共役系。
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