[今日描いた構造式] tert-Butyl perbenzoate

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Posted: February 2, 2019

[Org. Lett. 2019, 21 (3), 776−779] Iron(II)-Catalyzed Heck-Type Coupling of Vinylarenes with Alkyl Iodides (Xiong, Haigen; Li, Yajun; Qian, Bo; Wei, Rongbiao; Van der Eycken, Erik V.; Bao, Hongli)


鉄触媒下での、スチレン類とヨウ化アリールのHeck型反応。Heck反応ではなくHeck型反応であることに注意です。要旨にも書かれていますが、酸化的付加−β−水素脱離−還元的脱離の反応機構ではなく、ラジカル的とかどうとか。Graphical abstractに記載のTBPBが、この記事の表題の化合物。Fe(II)とはFe(OTf)2又はそこから誘導されたものなのでしょうか。

この反応、Mizoroki−Heck反応と同様、塩基が必要な気がしなくもないと思い、確認のためSupporting Informationに目を通しましたが、記述はされていないようです。反応の経過とともに反応系中の酸の濃度が上がってるのではとか、反応容器の内圧が上がっていくのではないかとか、反応混合物が濃い褐色なのではとか、TBPBは反応後にどうなってしまうのかとか、色々考えてしまうことはあります。もちろん詳細は論文本体でということになるのでしょう。TBPBは基質に対して2倍モル量使用しており、このことから、TBPBは反応開始剤ではなく酸化剤として機能しているようです。反応のどこのステップでかは想像しにくいです(そこかなというのはちょっと頭に浮かびます)。

鉄。価数が2と3を行ったり来たりしているようですが、反応機構の中で鉄の価数がどう変化するのかが気になります。

とにかく反応機構ですね。そんなわけで、読みたい論文に追加です。

Keywords: tert-butyl perbenzoate; Mizoroki−Heck reaction; trifluoromethanesulfonate

この記事を書いた人
「牧岡ふうふ堂」オーナー。博士(工学)。
酒都圏在住。
某地方の国立系工業大学でアシスタントをしていました。 専門は有機反応・金属錯体(主に希土類)・π共役系。
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